【初心者向けざっくり解説】生産国別ワインの特徴【旧世界編】

世界各国で造られているワイン。
国によって気候や文化は異なり、それによって生まれるワインも非常に多様です。
今回はワイン初心者がなんとなく各国の特徴をイメージできるように、それぞれの国を解説しています。
第一回はヨーロッパ圏。ワインの世界では「旧世界」と呼ばれたりもします。
アメリカやチリなどの「新世界」については【初心者向けざっくり解説】生産国別ワインの特徴【新世界編】で解説していますので興味がある方はそちらも合わせてチェックしてください。

出来るだけ簡単に解説していきますので、この記事を読んでお好みのワインを探す際の参考にしてください。

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フランス


ワイン輸出額世界1位であるワイン大国フランス。
EUワイン法の基礎にもなったA.O.C.という厳しい法律でワインの品質・ブランドを保っています。
EU以外の国でもA.O.C.のような原産地呼称が使われることが多いため、A.O.C.を理解することでワイン選びはグっと楽になります。
A.O.C.については【知っていると便利】フランスワイン法A.O.C.の5つのポイントにて詳細に解説しています。

今回はそんなフランスの中でも二大ワイン産地であるボルドー地方ブルゴーニュ地方
スパークリングワインで有名なシャンパーニュ地方
デイリーワインがお得な南フランスのローヌ地方、ラングドック&ルーション地方をピックアップしてご紹介します。

ボルドー

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • メルロー

【白ワイン】

  • セミヨン
  • ソーヴィニヨン・ブラン

フランス二大産地の一角であるボルドーは雨が多く、ワイン用のブドウを造るには厳しい気候の地域です。
そのため複数のブドウ品種をブレンドしてワイン造りをすることによって、天候が原因で何らかのブドウ品種の収穫量が減ってしまっても他のブドウ品種で補えるようにしています。
白ワインは甘口と辛口ともに生産されていて、特にソーテルヌの甘口には世界3第貴腐ワインに数えられる高級ワインもあります。

しかしボルドーワインと言えばやはり重厚で複雑な赤
シャトー(ワイナリー)ごとに格付けされ、それぞれの生産者がそのブランドに見合うよう偉大なワインを造り続けています。
ワインを味わうのが難しいという印象はボルドーの赤ワインから来ているかもしれません。
ボルドーは確かに難しい面もありますが、慣れてくると非常に美味しく楽しめる素晴らしい地域です。

ブルゴーニュ

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • ピノ・ノワール
  • ガメイ

【白ワイン】

  • シャルドネ

ボルドーと対をなすフランス二大産地のブルゴーニュは量より質の地域です。
基本的に単一のブドウ品種でワインを造り、赤ワインにはロマネコンティ、白ワインにはモンラッシェをはじめとする高級ワインが目白押し。
これらの高級ワインはブルゴーニュ地方の中でもコート・ドール(黄金の丘の意味)というエリアに集中しています。
コート・ドールは冷涼な地域で高品質ワインが造られる条件がそろっており、非常に個性的で繊細な味わいのワインが造られています。
ブルゴーニュ地方では畑ごとに細かく格付けされていて、そういったワインはブルゴーニュとラベルに記載されず畑名のみが記載されるため、畑名を知らないと判別が非常に難しい地域。
しかし各生産者は細かく区分けされた畑ごとの特徴をワインに個性(テロワール)として表現するため、それらに魅了されたブルゴーニュオタク(ブルオタ)な人たちも数多く存在する人気のエリアです。

また、厳密にはブルゴーニュ地方ではありませんがブルゴーニュの南にヌーボーで有名なボジョレー地区があり、こちらも含めてブルゴーニュ地方と呼ぶこともあります。
ブルゴーニュ地方の赤ワインは基本的にピノ・ノワール100%で造られますが、ボジョレー地区のみガメイというブドウ品種が使われます。
ピノ・ノワールは繊細で高貴なワインになりますが、ガメイはフレッシュで果実感ある味わい。
どちらもライトボディなので重たいワインが苦手な方はブルゴーニュを試してみてください。

シャンパーニュ

主要ブドウ品種

  • シャルドネ
  • ピノ・ノワール
  • ムニエ

シャンパーニュは有名なスパークリングワイン「シャンパン」の生産地。
瓶内二次発酵という昔ながらの製法でじっくりと造られたシャンパンの特徴は、繊細な味わいときめ細かい泡。
冷涼な地域でブドウの成熟に難があるため、複数のブドウやヴィンテージをブレンドしてワインを造ることで生産量を安定させています。
ワインに慣れていない人でも馴染みやすい味わいのため、贈り物やお祝い、記念日などにもよく使われます。

スパークリングワインが有名すぎますが、実は少量ながら非発泡の普通のワイン(スティルワイン)もあります。
その場合は「コトーシャンプノワ」と呼ばれ赤・白・ロゼが造られています。
非発泡ですがスパークリングワインのような留め金突きのコルク栓が使われることが多いので、スパークリングワインを買おうと思ったらコトーシャンプノワだったなんてこともあるようです。
地球温暖化の影響で以前よりブドウが成熟しやすく、質の高いコトーシャンプノワも生まれてきています。
興味がある方はこちらも試してみてください。



ローヌ

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • シラー
  • グルナッシュ

【白ワイン】

  • ヴィオニエ
  • ルーサンヌ
  • マルサンヌ

フランス南部に位置するローヌ地方は、ローヌ北部とローヌ南部に分けて紹介されることも多く、北部は単一品種、南部は複数品種をブレンドしてワインを造ります。
生産量はボルドーに次いでフランス第二位。赤ワインが中心で手頃なデイリーワインから高級ワインまで幅広くあり、最初は選ぶのが少し難しい地域でもあります。
しかし暖かい気候から生まれるシラーやグルナッシュの豊かな果実味は見事なもので、品質も安定しているのでワインに慣れてきたら是非試してみてほしいです。
AOC「コート・デュ・ローヌ」がほとんどですが、狭域のものでは南ローヌの「シャトー・ヌフ・デュ・パプ」、北ローヌの「コート・ロティ」なども有名です。

ラングドック&ルーション

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • シラー
  • グルナッシュ

【白ワイン】

  • ヴィオニエ
  • ルーサンヌ
  • マルサンヌ

ローヌと同じくフランス南部に位置するラングドック&ルーション地方。
ローヌよりもさらに手頃なデイリーワインが多く生産されていて、AOCよりも1つ下のIGPという地酒がメインの産地です。
上記以外にもさまざまなブドウ品種をブレンドしてワインを造り、いずれも気軽に飲みやすいものが多いです。
筆者が好きなデイリーワインまとめ売りセットにはよくラングドック&ルーションのワインが入っていますが、どれも品質は高く楽しんでいます。
ボルドーワインをじっくり飲むというよりは、手軽に晩酌したいといった気分のときには是非ラングドック&ルーションのワインを選んでみてください。
筆者イチオシのルーションワインをご紹介している記事もあるので興味がある方は是非飲んでみてください。

【ワイン愛飲家のオススメ】BASTIDE MIRAFLORS【南仏の超ハイコスパワイン】の記事へ

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イタリア


イタリアには20の州がありますが、そのすべてでワインが造られています。
ワイン造りに非常に適した気候で、地域ごとの土着品種が多くすべてを把握することは難しいです。
そのためひとまず最初はイタリア二大ワイン産地であるピエモンテ州トスカーナ州からスタートしましょう。

ピエモンテ

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • ネッビオーロ

【白ワイン】

  • モスカート・ビアンコ

ピエモンテはブルゴーニュのようにワインの量より質にこだわった地域
特にネッビオーロから生まれる王のワインバローロと、女王バルバレスコが有名です。
若いネッビオーロは世界一長期熟成に耐えると言われるほどの強い酸とタンニンを感じる重厚な味わいが特徴。
長期熟成させるとその酸とタンニンが滑らかになり、非常に複雑な風味をもつ偉大なワインになります。
バローロとバルバレスコはそれぞれ生産者の元で熟成させる期間が決まっていて、市場に出る頃には飲み頃になっているとも言われますので、一般的には自宅での熟成はあまり考えなくて問題ありません

一方白ワインのモスカート・ビアンコはマスカット系の品種で、甘い香りとフレッシュさが特徴。
甘口~辛口まで造られますが、スパークリングワインの「アスティ」が特に有名です。

トスカーナ

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • サンジョベーゼ

トスカーナは赤ワインで有名な「キャンティ」の産地です。
キャンティは有名になりすぎて、みんなキャンティという名前でワインを造ってしまったため品質の低いものも横行。
そのため人気になる元となった元祖キャンティだけが「キャンティクラシコ」と名乗っていいというルールが生まれて現在に至ります。
そんなキャンティはサンジョベーゼ主体で造られ、軽快で飲みやすい味わい。
同じサンジョベーゼでも「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」という重厚なワインもトスカーナで造られています。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは知名度も高く、贈り物などにもオススメです。

また、トスカーナのボルゲリという地域には「スーパータスカン」といってそれまでのイタリアワイン法の枠に収まらない、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の高品質なボルドータイプのワインもあります。
イタリアワイン法に収まっていないためかつてはテーブルワインとして売られていましたが、あまりに高品質のため製造元のサッシカイアが単独ワイナリーでD.O.C.(フランスで言うA.O.C.)に認定されるほど。

機会があればサンジョベーゼのキャンティと合わせて試していただければと思います。

スペイン

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • テンプラニーリョ

情熱の国スペインは、赤ワインとスパークリングワインが有名な産地。
イタリア同様土着品種が非常に多く、それらを把握するには時間がかかります。

その中でもテンプラニーリョを使った赤ワインが代表的。
テンプラニーリョだけ見ても亜種が多く一言で特徴を説明するのは難しいですが、一般的には香りが華やかなフルボディワインになることが多いです。
フルボディといってもカベルネソーヴィニヨンほどの重さではないため、ミディアムボディとフルボディの間くらいなイメージでもいいかもしれません。

また、スペインでは「カヴァ」というスパークリングワインと「シェリー」という酒精強化ワインも有名です。

カヴァはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵という昔ながらの製法で造られますが、一部機械化しているためシャンパーニュに比べて手ごろな値段で買うことができます。
ものすごくコスパが高いスパークリングワインなので、ちょっと泡飲みたいなという気分になったら悩まずカヴァを選んでもいいと思います。

酒精強化ワインで有名なシェリーは、発酵中にブランデーを添加してアルコール度数を高めることで保存性を上げたワインです。
アルコール度数や熟成方法によって5つの区分けがされ、基本的に辛口ですが使用されるブドウ品種によっては極甘口のものも存在します。

ドイツ

主要ブドウ品種
【赤ワイン】

  • シュペートブルグンダー

【白ワイン】

  • リースリング

ドイツはワイン用ブドウが栽培できる北限と言われる非常に寒い国です。
そのため寒い地域が得意なブドウが栽培されていて、代表的なのはリースリングを使った白ワイン
辛口~極甘口まで幅広く、最上位の極甘口は世界三大貴腐ワインに数えられています。
またゼクトというスパークリングワインも有名で、高品質なものはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られます。
切れのよい味わいで、シャンパーニュやカヴァなどとは違ったスパークリングワインが飲みたいと思ったら選んでみてください。

赤ワインに使われるシュペートブルグンダーはフランスでいうピノ・ノワールのこと。
風味がフランスとは異なり、同じブドウ品種とは思えない個性を発揮しています。
フランスとドイツで飲み比べてみる違いが分かりやすく、違いすぎるために好みも分かれるかもしれません。

ドイツワインはフルートボトルという細長いボトルやボックスボイテルという丸形のボトルにワインを詰めるため、お店に並んでてもすぐにわかるのもありがたいです。

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最後に

今回は広大なワイン産地の中から

  • フランス
  • イタリア
  • スペイン
  • ドイツ

に絞って紹介しました。
特にフランス・イタリア・スペインはワイン三大生産国とも言われる主要産地。
ワインを楽しんでいくとこれらの国のワインに興味が出る日がきっときます。
そんな時にはこの記事を思い出して、自分に合ったワイン選びの参考にしてください。

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