- 各お酒の名前と生産国・原料・有名銘柄を紐づける
- 二次試験までに特にリキュール類などは飲んでおきたい
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。
今回は酒類飲料概論です。
ソムリエ&ワインエキスパート試験では、ワインだけでなくお酒全般の知識が求められます。
一次試験のみでなく、二次試験のテイスティングにもワイン以外のお酒が出題されるので、各お酒の特徴を押さえる意味でもしっかり勉強しておきましょう。
ソムリエ&ワインエキスパートの二次試験で実施されるテイスティング試験。 実はこのテイスティング試験で、ワイン以外のお酒も出題されます。 具体的には、グラスに注がれたお酒を飲んで「そのお酒が何なのか(ジンなど)」を答えるというもの[…]
とはいっても、ワイン以外の各お酒については深いところまでは求められません。
お酒の名前、造られている国、原料など基本的なことが把握できていればOKです。
今回は酒類飲料概論の学習に役立つ、各お酒の基本情報をリスト化しています。
最後に練習問題を載せてありますので、スキマ時間などに挑戦して勉強に役立ててください。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています。
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
ソムリエ・ワインエキスパート試験はワインの難関試験です。 勉強も大変そうだし、何から手をつけたらいいのかもわからないですよね。 筆者は年末頃から少しずつ勉強をスタートして、年明けからはオンラインスクールも利用しながら一発で合格す[…]
ビール

- 麦芽・ホップ・水(及び麦・米・トウモロコシ・芋類など)を原料として発酵させたもの
- 果実またはコリアンダーや香辛料・ハーブなどの副原料を使用可
- 規定外のものを原料とした場合には「発泡酒」となる
- ビールの発酵方式として上面発酵と下面発酵の2種類がある
ビールでは特に、下面発酵と上面発酵のビールを区別することが大切です。
下面発酵は2種類しかないので、消去法で覚えてしまいましょう。
下面発酵
- 発酵後、酵母が下に沈殿する方式
| ビールのタイプ名 | 原産国 | 備考 |
| ピルスナー | チェコ | 日本で普及している淡色ビールもこのタイプ |
| ボック | ドイツ | アルコール6~6.5度と高い アルコール度数がさらに高いドッペルボックもあり |
上面発酵
- 酵母が上面に浮き上がる発酵方式
- ピルスナーとボック以外は上面発酵と覚える
| ビールのタイプ名 | 原産国 | 備考 |
| エール | イギリス | カラメルや花のような香りがある |
| アルト | ドイツ | アルト=上の意味(上面発酵) ホップの香味を強調する |
| バイツェン | ドイツ | バイツェン(=小麦の意味)を使用 |
| トラピスト | ベルギー | 修道院で造られていたことからこの名がついた |
| スタウト | イギリス | 原料に砂糖の添加が許可される濃色ビール |
| ランビック | ベルギー | ベルギーの伝統的なビール チェリーなどを加えたフルーツビールもある |
ウイスキー

- 麦やトウモロコシなど穀物原料の蒸留酒
- 原料別にモルトウイスキー、グレーンウイスキーに分類される
- 世界5大ウイスキーと呼ばれるものがある
ウイスキーは原料による呼び名の違いと、5大ウイスキーの特徴を覚えましょう。
「スモーキーな風味が特徴のウイスキーは何」
などの出題がされます。
モルトウイスキー
- 二条大麦麦芽(モルト)原料
- 貯蔵にはオーク樽が使われる
グレーンウイスキー
- トウモロコシ、小麦などの穀物(グレーン)原料
- 貯蔵には通常、古樽が使われる
- モルトウイスキーと比べると香味は穏やかでスムーズになる
世界5大ウイスキー
- 世界5大ウイスキーの原産国と特徴を紐づける
| 世界5大ウイスキー | 原産国 | 特徴 |
| アイリッシュウイスキー | アイルランド | 穀物の穏やかな風味があり飲みやすい |
| スコッチウイスキー | スコットランド | スモーキーな風味 |
| アメリカンウイスキー | アメリカ | このうち、バーボンウイスキーはトウモロコシ主体 華やかで厚みがあり、オークの香味が強い |
| カナディアンウイスキー | カナダ | ライトな口当たり カクテルベースとしても使いやすい |
| ジャパニーズウイスキー | 日本 | スコッチの影響が強い 多彩な香味を持ち、穏やかでバランスがいい |
ブランデー

- 果実を原料とした蒸留酒
- 一般的にはブドウを原料としたグレープブランデーを指す
- 主なグレープブランデーとしてフランスのコニャックとアルマニャックがある
ブランデーはコニャック、アルマニャックの蒸留法の違いと、生産区域の特徴を見ていきましょう。
コニャック
- フランスのコニャック地方(シャラント地方)で造られる
- 単式蒸留を2回行う
- サンテミリオン種(=ユニブラン)を使う
- 複数ヴィンテージをブレンドするのでヴィンテージの記載はない
- 6つの生産地区の特徴を押さえる
| コニャック地区名 | 備考 |
| Grande Champagne グランドシャンパーニュ |
コニャック最高品質 繊細で力強くボリューミー 石灰岩土壌 |
| Petite Champagne プティットシャンパーニュ |
香りはグランドシャンパーニュには及ばないものの非常に繊細 グランドシャンパーニュより早熟 |
| Borderies ボルドリー |
スミレの風味 丸みがあり、特に混合に使用される |
| Fins Bois ファン ボワ |
早熟 コニャックで栽培面積が最大 |
| Bons Bois ボン ボワ |
特色が少ない |
| Bois Ordinaires ボワ オルディネール |
並質 コニャックで栽培面積が最小 |
Fine Champagne フィーヌシャンパーニュ
グランドシャンパーニュ(50%以上)と残りプティットシャンパーニュをブレンドしたもの
アルマニャック
- フランス南西のアルマニャック地方(ガスコーニュ地方)で造られる
- 連続式蒸留を2回行う
- 主にユニブラン種を使い、フォルブランシュ、コロンバールも使う
- 単一年で造るヴィンテージ記載のアルマニャックがある
- 3つの生産地区の特徴を押さえる
| アルマニャック地区名 | 備考 |
| Bas-Armagnac バ ザルマニャック |
アルマニャックの最高品質 干しスモモの香味 最も砂が多い土壌 アルマニャック向けブドウ栽培面積の約70% |
| Armagnac-Tenareze アルマニャック テナレーズ |
アルマニャックで二番目に高品質 干しスモモの香味とスミレの香り |
| Haut-Armagnac オー タルマニャック |
良品質 |
ブランシュダルマニャック
蒸留後3か月間、不活性の容器で熟成させ色がついていないもの
スピリッツ

- 穀物やサトウキビなどを原料とした蒸留酒
- 世界4大スピリッツに絞って押さえる
スピリッツでは銘柄ごとの原料や特徴を覚えていきましょう。
「白樺炭でろ過するスピリッツを選べ」のような出題が頻出です。
| 世界4大スピリッツ | 原料 | 備考 |
| ジン | 穀物 | ジュニパーベリー・コリアンダーなどの植物系の香り(ボタニカル)をつける 有名銘柄:シュタインヘーガー・ジュネバ・ロンドンドライジン |
| ウォッカ | 穀物・イモ類など | 白樺炭でろ過するためクリアな味わいとなる 無色透明のものが多いが、フレーバードウォッカも存在する 有名銘柄:スミノフ・アブソルート |
| テキーラ | リュウゼツラン | ブルーアガベを51%以上使用 規定外のものはメスカルと呼ぶ 有名銘柄:クエルボ・サウザ |
| ラム | サトウキビ | ホワイトラム・ゴールドラム・ダークラムに分類 上記は樽熟成が短ければホワイト、長ければダークになる 有名銘柄:バカルディ・キャプテンモーガン・ハバナクラブ |
リキュール

- 主に蒸留酒に果実などの香味を抽出させ、砂糖などの甘味を加えて着色したもの
- 芳香性原料によって分類される
- 薬草・香草系と果実系はほとんどフランス原産、ナッツ系はイタリア原産
リキュールは系統・原産国・特徴を覚えます。
種類が多くて大変ですが頑張りましょう。
香草・薬草系
| 香草・薬草系 | 原産国 | 特徴 |
| Absinte アブサン |
フランス | ニガヨモギの香味が原料 |
| Anises アニゼ |
フランス | アニスの種子の香り |
| Chartreuse シャルトリューズ |
フランス | ヴォワロン修道院で開発 Verte:スパイシー Jaune:まろやかな蜂蜜風味 |
| Benedictine ベネディクティン |
フランス | ノルマンディ地方のベネディクト派修道院で生まれた 27種の薬草・スパイスを使いまろやかな風味 |
| Suzu スーズ |
フランス | リンドウの根の香り |
| Campari カンパリ |
イタリア | ミラノ産 ビターオレンジ果皮原料 |
果実系
| 果実系 | 原産国 | 特徴 |
| Curacao キュラソー |
フランス | オレンジの果皮で香味付けをしたリキュール |
| Cointreau コワントロー |
フランス | キュラソーの一種 無色透明 |
| GrandMarnier グランマルニエ |
フランス | キュラソーの一種 オレンジ褐色 |
| Maraschino マラスキーノ |
イタリア | チェリー風味 |
| Creme de Cassis クレームドカシス |
フランス | ブラックカラント(カシス)の実をグレープスピリッツやワインと熟成させたもの |
| Crème de Framboise クレーム ド フランボワーズ |
フランス | ラズベリーのリキュール |
| Crème de Fraise クレーム ド フレーズ |
フランス | ストロベリーのリキュール |
| Crème de Mure Sauvage クレーム ド ミュール ソヴァージュ |
フランス | ブラックベリー(ミュールソヴァージュ)のリキュール |
ナッツ系
| ナッツ系 | 原産国 | 特徴 |
| Amaretto アマレット |
イタリア | あんずのリキュール |
| Frangelico フランジェリコ |
イタリア | ヘーゼルナッツ風味のリキュール |
特殊系(乳化系)
| 特殊系 | 原産国 | 特徴 |
| Bailey’s Original Irish Cream ベイリーズ オリジナル アイリッシュ クリーム |
アイルランド | 牛乳クリーム原料 |
| Advocaat アドヴォカート |
オランダ | 卵(卵黄)原料 |
カクテル

- 4技法(ビルド・ステア・シェーク・ブレンド)ごとに代表カクテルを覚える
- 代表カクテルのベースとなるお酒を紐づける
カクテルは「どの技法で造られるか」「ベースのお酒は何か」を覚えればOKです。
Build ビルド
- グラスに直接材料を注いで作る技法
- 「酒+何か」のスタイルとして最も知られていて最もシンプルな技法
| カクテル名 | ベース |
| ジントニック | ジン |
| ウイスキーハイボール | ウイスキー |
Stir ステア
- ミキシンググラスの中でバースプーンにより氷とともに混ぜ合わせる技法
- 基本的には酒同士または混ざりやすい材料同士のものに使う
| カクテル名 | ベース |
| マティーニ | ジン |
| マンハッタン | ウイスキー |
Shake シェーク
- シェーカーを振って作る技法
- ジュースやミルク、砂糖など混ざりにくい材料に使う
| カクテル名 | ベース |
| ジンフィズ | ジン |
| サイドカー | ブランデー |
Blend ブレンド
- ブレンダー(またはミキサー)と呼ばれる電動式の機械でクラッシュドアイスとともに混ぜ合わせる技法
- ミキサーの開発とともに広がり、シャーベット状のカクテルを生み出した
| カクテル名 | ベース |
| フローズンダイキリ | ラム |
酒類飲料概論の練習問題

本記事で解説した酒類飲料概論について練習問題を作成しました。
スキマ時間などにチャレンジしてみてください。
最後に
今回はワイン概論に続いて二つ目の概論である酒類飲料概論についてまとめました。
お酒によって細かい規定が多いですが、試験では基本情報を知っていればOK。
それ以上の知識は必要ありません。
筆者はウイスキーなどの洋酒も好きなので抵抗はありませんでしたが、人によってはにワイン以外のお酒の項目ということで興味が沸かないこともあるかもしれません。
しかし二次試験でテイスティングの出題もありますので、飲んだことがないものについては一度飲んでおくことも大切です。
新しいお酒に出会える可能性にもなるので、是非前向きに取り組んでください。
二次試験テイスティングの対策に便利なアイテムを紹介した記事もあるので、気になる人は下記リンクからチェックしてくださいね↓↓
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