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【ワインは有名・品種はマイナー】深いコクと高い熟成能力!セミヨンの特徴を解説

今回はセミヨンについて解説します。

辛口~極甘口まで幅広く活躍しているうえ、世界有数の高級ワインに使われる品種ですが、知名度はあまりない印象。

ソーヴィニヨンブランの補助品種になることが多く、「セミヨン単体ってどんな味?」なんて疑問に思う人も多いはず。

この記事ではセミヨンの特徴や相性のいい料理、オススメワインを紹介するので、ワイン選びの参考にしてください。

セミヨンの特徴

  • 穏やかな酸とコクを持つ
  • ソーヴィニヨンブランとのブレンドが有名
  • 病気に強く、収穫量が安定している
  • フランス・ボルドー~南西地方原産

穏やかな酸とコクを持つ

セミヨンから造ったワインは穏やかな酸と、十分な糖度からくるコクを持ちます。

ハチミツや洋ナシなどの香りを持つものの、若いうちは控え目で特徴が出にくく味わいも淡泊。

そのためワインにコクを追加するためのブレンド品種として用いられることが多いです。

しかし高い糖度によって長期熟成能力があり、10年以上熟成させたワインからはコクが一層際立つオイリーな味わいを感じることができます。

ソーヴィニヨンブランとのブレンドが有名

セミヨンのブレンド相手として有名なのはソーヴィニヨンブランです。

ソーヴィニヨンブランはフレッシュな酸と特徴的な香りを持つので、その特徴を邪魔せずにコクを追加できるセミヨンはうってつけ。

どちらもボルドー地方原産のブドウ品種で、お付き合いの歴史は長い様子。

ソーヴィニヨンブラン×セミヨン(場合によってはミュスカデルも)のブレンドで造られる辛口ワインは、ボルドーブランと呼ばれたりもします。

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病気に強く、収穫量が安定している

セミヨンは病気に強く早熟。栽培しやすく毎年安定した収穫量が見込めます。

果皮が薄く、日差しが強すぎると日焼けしてしまうので、あまりカンカン照りな地域には向きません。

日中には十分な日照量があり、夜間にはぐっと冷え込む地域が最適とされています。

超甘口、貴腐ワインの原料

ブレンドだったり収量が多かったりと脇役感が強いですが、セミヨン主体(または単一)で高級ワインになることも。

果皮が薄いことは日焼けするデメリット以外に、貴腐を起こしやすいというメリットもあります。

貴腐菌の発生する条件が整うボルドー地方・ソーテルヌ地区では「世界三大貴腐ワイン」と呼ばれる超高級甘口ワインの原料として活躍しています。

Iseya
辛口から極甘口まで活躍するポテンシャルはリースリングと同じですね
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フランス・ボルドー~南西地方原産

セミヨンはフランス・ボルドー地方~南西部ベルジュラック周辺が原産と言われていますが、はっきりとは分かっていません。

18世紀頃まではソーテルヌ~南西地方周辺でのみ栽培されていたとされています。

一度は世界中で広く栽培されたものの、シャルドネなどの人気品種に押されて近年は減少傾向

今では故郷に戻り、世界で栽培されるセミヨンの40%がフランス産となっています。

産地ごとのセミヨンワインのスタイル


セミヨンといえばフランスのボルドー地方が最も有名です。

極甘口のソーテルヌ地区辛口のグラーヴ地区はどちらも高級ワインとして有名な産地。

アントルドゥーメール地区ではセミヨンもブレンドされたデイリー白ワインがたくさん造られています。

フランス以外ではオーストラリアのハンターヴァレーが有名です。

フランス・ボルドー地方

ソーテルヌ地区

ソーテルヌと言えばセミヨンを主体にした極甘口の貴腐ワインで有名な産地

「世界三大貴腐ワイン」に数えられる一角で、貴腐化したセミヨンだけを房や粒単位で収穫する、手間をかけた高級ワインが造られています。

セミヨンのハチミツや洋ナシなどの香りをしっかりと感じ、酸味を足すためにソーヴィニヨンブランを少しブレンドするのが主流。

メドック地区で有名な格付けシャトーはソーテルヌ地区にもあり、その頂点に君臨するシャトーディケムは有名です。

1株のブドウからグラス1杯分のワインしか造れないという凝縮度で、100年以上経っても飲める生命力を持ちます。

グラーヴ地区

グラーヴ地区ではオーク樽で熟成させて、よりコクをしっかり感じられる辛口白ワインが造られます。

ソーヴィニヨンブランやミュスカデルとブレンドしたボルドーブランが主流ですが、セミヨンの比率が高いほど熟成能力が上がります。

メドック5大シャトーとして例外的にグラーヴ地区から選ばれたシャトーオーブリオンも、「シャトーオーブリオンブラン」としてグラーヴらしい白ワインを生産しています。

赤ワインとならんでボルドー最高品質。オンリーワンの個性を持つ白ワインとして有名ですが、生産量は年間450~650ケースと極僅か。

その希少性から、むしろ白ワインのほうが人気だなんて話もあります。

アントルドゥーメール地区

アントルドゥーメール地区はガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた地区で、広大なエリアから日常消費用のワインがたくさん造られています。

赤ワインも造られていますが、アントルドゥーメールと名乗れるのは辛口白ワインのみ

範囲が広いので土壌などの栽培条件は様々ですが、ボルドーブランを手ごろに楽しみたいときはこのエリアがおすすめです。

オーストラリア・ハンターヴァレー

フランス以外で最も多くセミヨンを栽培するのがオーストラリア

特にハンターヴァレーのセミヨンは「ハンター・セミヨン」とも呼ばれ、ブレンドせずにセミヨン100%で造ります。

収穫時期に雨が多いので、早めに収穫するのが一般的。

糖度が上がりきっていないのでアルコール度数が低く、セミヨンのわりに比較的酸味が豊富な味わいをもつのが特徴です。

5年~10年の長期熟成も可能で、その場合はハチミツなどの香りが入り交ざった複雑な風味をもつワインになります。

オーストラリアではハンターヴァレー以外でもセミヨンは栽培されていますが、その場合はシャルドネやソーヴィニヨンブランなどとブレンドされます。

セミヨンに合わせるオススメ料理

  • あっさりした味付けの魚料理
  • 甘口ならフォアグラ

辛口ならあっさりした味付けの魚料理

一部の高級ワインを除き、辛口のセミヨンはクセのない味わいになるので、料理も淡泊であっさりしたものがいいでしょう。

白身魚にハーブやレモンを乗せたものカルパッチョなどがオススメです。

熟成させたものやグラーヴのオーク樽をつかったものの場合には、ムニエルフライなど、少しこってりした料理のほうが相性がよくなります。

この辺りはシャルドネの樽熟成orステンレス熟成の考え方と似ていますね。

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甘口ならフォアグラ

ソーテルヌの貴腐ワインはフォアグラとの組み合わせが超王道マリアージュです。

自宅で用意するのは難しいですが、レストランなどで機会があれば試してみてください。

簡単に食べ物と合わせるなら、甘味×塩味の定番相性から、塩っこい食べ物(ブルーチーズなど)がオススメです。

Iseya
もちろんデザートワインとして、ワイン単体で楽しんでもOKです。

料理とワインのペアリングについては「【ワインと料理の組み合わせ方】初心者でもできる!上手なマリアージュの5つのコツ」で詳しく解説しています。

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セミヨンを使ったオススメワイン

晩酌に最適なデイリーワイン




記念日や贈り物にオススメなちょっといいワイン





こだわりの高級ワイン



最後に

  • 穏やかな酸とコクを持つ
  • ソーヴィニヨンブランとのブレンドが有名
  • 病気に強く、収穫量が安定している
  • 超甘口、貴腐ワインの原料
  • フランス・ボルドー~南西地方原産
  • ソーテルヌ地区は極甘口
  • グラーヴ地区は上質な辛口
  • アントルドゥーメール地区は辛口デイリーワイン
  • ハンターヴァレーでは単一で造る
  • 辛口ならあっさりした味付けの魚料理などと相性がいい
  • 甘口ならフォアグラが王道マリアージュ

今回はセミヨンを解説しました。

どうしてもソーヴィニヨンブランの相方として脇役イメージがあるブドウ品種ですが、辛口~極甘口まで幅広く活躍できて長期熟成に耐えうるポテンシャルを持つ品種です。

若いうちはこれといった個性が出づらいですが、熟成するとハチミツのような香りとオイリーな味わいが出てくるので、興味があったら試してみてください。

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