・安いワインでも何年も寝かせた方がいい?
・家でワインを熟成させる方法は?
ワインには熟成させたほうがおいしいものと、すぐに飲んだ方がおいしいものがあります。
たとえば1000円くらいで買えるワインは、長期間熟成させても品質が向上していくわけではありません。
今回はそんなワインの熟成について、
「熟成の目的」
「熟成させるときの注意点」
の3点を解説していきます。
ワインの熟成に興味がある人は是非参考にしてみてください。
熟成向きワインの特徴
「1000円くらいで売っているワインも熟成させたほうがいいのかな?」
と考えたことはありませんか?
ワインには熟成向きのワインと、熟成に向かないワインが存在します。
1000円くらいで買えるワインは「熟成に向かないワイン(=早飲みタイプ)」なので、長期間熟成させる利点はありません。
早飲みタイプのワインは、若くて飲み頃のワインを出荷・販売するもので、ブドウ本来のフレッシュな味わいがウリです。
購入後に熟成させる必要はなく、買ってすぐ飲んで大丈夫。
それこそがそのワインの真骨頂ということですね。
一方で熟成向きのワインは、飲み頃が何年も先に来るワインです。
造られてすぐの時点ではワインのポテンシャルを100%発揮することは出来ず、飲み頃を迎えるまで何年も熟成させる必要があるわけですね。
熟成向きのワインは、熟成によってポテンシャルが向上し、ある一点でピークを迎えて、その先はピークアウトしていきます。
出来れば一番ポテンシャルの高いところで飲みたいですよね。
特にタンニンや酸が強いワインは長期熟成に向いていることが多く、高品質なカベルネソーヴィニヨンやネッビオーロを使ったワインが長期熟成に該当することが多いです。
今回はカベルネソーヴィニヨンの特徴を解説します。 カベルネソーヴィニヨンはワインに使われるブドウとしてもっとも有名な品種のひとつです。 フルボディなワインに仕上がり、牛肉ステーキとの相性は有名ですね。 世界中で広く栽培され[…]
今回はネッビオーロについて解説します。 ネッビオーロで有名なのは何といってもイタリア・ピエモンテ州で造られる「王のワイン・バローロ」です。 長期熟成させる高級ワインのイメージが強いブドウ品種ですが、実は早飲みタイプも造られていま[…]
熟成=ワインの飲み頃を狙うこと
ワインの熟成の狙いは、ただ長い期間置いておくことではなく、飲み頃のピークを狙うことです。
長い期間置きすぎて飲み頃を逃してしまうと、品質は劣化し水っぽくなったりしてしまいます…。
何年も待ったのに失敗してたら残念ですね。
飲み頃にはある程度目安はあるものの、正確に計ることはできません。
結局飲むまで分からないんですね。
それもワインの楽しさだと筆者は思います。
熟成向きと早飲みワインは原料ブドウに違いがある
- 特定条件の畑から取れたブドウ
- ブドウ樹をギリギリまで選定する
- あまり厳しく選定しない
- 幅広い畑のブドウを使用
熟成向きのワインと早飲みワインは、原料ブドウの違いが大きいです。
熟成向きワインに使われるブドウは一粒一粒に養分が集中していて、非常に凝縮しています。
凝縮したブドウから造られたワインは、酸やタンニンなどの成分がギッチギチに詰まっていて飲みづらくなります(硬いと表現されたりします)。
しかしこれが長期間熟成すると酸やタンニンがまろやかになっていき、何十年も経ったころに様々な成分が絶妙なバランスになるわけですね(=飲み頃)。
一方で早飲みワインに使われるブドウは、畑も限定されていないし熟成向きワインほど厳しく選定もしません。
それによって生産量を多くできるので、手ごろな価格で買うことができます。
原料ブドウの凝縮具合も必要以上にこだわらないので、造られてすぐに飲み頃が来てくれます。
熟成させるときの注意点
- 16℃前後に保たれた温度
- 振動を与えない
- 日光(紫外線)に当てない
- 乾燥していない
ワインを熟成させるときは、ただその辺に置いておけばいいわけではありません。
温度変化が少なく(16℃前後)、振動がなく、直射日光に当たらない場所に静置させる必要があります。
湿度が足りないとコルク栓が劣化してしまうので、ある程度湿度も確保しておきたいですね。
・【自宅で出来る】ワインのコルクが割れる原因と対処法を解説 の記事に行く
条件を満たさない環境に置いておく時間が長ければ長いほどワインは劣化してしまいます。
ワインセラーを使えば熟成に適した環境を用意できるので、ワインの長期熟成にチャレンジしたい人は是非購入を検討してください。
ワイン初心者 自宅ではデイリーワイン中心だけどワインセラーは必要? 家庭用ワインセラー選ぶポイントは? 家庭用ワインセラーはどのくらいの本数が入るものを選べばいい? 自宅でワインセラーを使うメリット 家[…]
最後に
- ワインには熟成向きタイプと早飲みタイプがある
- 熟成向きかどうかは原料ブドウの影響が大きい
- 熟成させるときは環境に注意する
ワインと言えば長期熟成のイメージが強いですが、全てのワインが熟成でポテンシャルが向上するわけではありません。
手ごろな価格のワインは買ってすぐ飲んだほうがおいしいことがほとんどです。
もし熟成向きのワインが手に入ったら、きちんとした環境を整えて大切に保管するようにしましょう。
長期熟成を経て飲み頃を迎えたワインは思い出に残る一本になること間違いなし。
もし自分で熟成させるならワインセラーがあればベストです。
最近は手ごろな価格で買えるものも増えているので、是非購入を検討してください。
ワインセラーの選び方:【デイリーワインも高級ワインも】家庭用ワインセラーを選ぶポイントを解説
ワインを家飲みで一段とおいしく楽しむ方法
今回はワインの家飲みについてです。 コロナ禍になって、ワインなどのお酒を家飲みする人が増えましたね。 難しいイメージのあるワインですが、家でも簡単にできるいくつかのコツを実践するだけで一層おいしく楽しむことができます。 筆[…]