- オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州が二大産地
- アイスワインなどのワイン法に注意
- アイスワインの主要品種ヴィダル
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。
今回はカナダです。
カナダはロシアに次いで世界で二番目に広い国土を持ち、アイスワインの産地としても有名です。
試験でもアイスワインの規定は頻出なのでよく見ておきましょう。
主要産地は東側のオンタリオ州と西側のブリティッシュ・コロンビア州が二大産地です。
オンタリオ州は「アメリカのニューヨーク、ペンシルバニア州」の、ブリティッシュコロンビア州は「アメリカのワシントン州」の影響を受けて発展した歴史があります。
このため東西の共通性は極めて少ないと言われます。
今回はカナダの出題ポイントをまとめて、最後に練習問題を載せました。
アイスワインや二大産地などの要点をしっかり覚えましょう。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています。
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
ソムリエ・ワインエキスパート試験はワインの難関試験です。 勉強も大変そうだし、何から手をつけたらいいのかもわからないですよね。 筆者は年末頃から少しずつ勉強をスタートして、年明けからはオンラインスクールも利用しながら一発で合格す[…]
主要ブドウ品種
- 最優先はヴィダル
アイスワインに使われる「ヴィダル」は交配内容も含めて頻出です。
主要ブドウ品種 | 備考 |
Chardonnay シャルドネ |
|
Riesling リースリング |
|
Gewurztraminer ゲヴュルツトラミネール |
|
Vidal ヴィダル |
ユニブラン×セイベル4986の交配品種 遅積みワインやアイスワインに使われる |
Cabernet Sauvignon カベルネソーヴィニヨン |
|
Merlot メルロー |
|
Cabernet Franc カベルネフラン |
ワイン法
- 州政府が立法権を持つためワイン法も州ごとに決められている
- アイスワインや遅積みワイン以外はアルコール補強の糖分添加と甘味付けの果汁添加が許可される
- オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州固有のワイン法も注意
カナダは連邦制のため、連邦政府だけでなく各州政府も立法権を持っています。
そのため、州ごとに細かく規定が異なるので注意です。
特に二大産地のオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州は、独自のワイン法を要チェック。
国全体のワイン法では、アイスワインと遅積みワイン以外のワインにはアルコール補強のための糖分添加(=シャプタリゼーション)及び甘味付けのスイートリザーヴ(未発酵のブドウ果汁添加)が認められていることを覚えておきましょう。
そのため酒質強化が必要な際に糖分添加が許可されているわけですね。
品質分類
- 条件によって使用するブドウの比率が異なるので注意
- 85%ルールが適応されない部分は要チェック
Vintners Quality Alliance(V.Q.A.)認証ワイン
- 100%カナダ産のブドウを使用した既定の厳しい高品質ワイン
- ブリティッシュコロンビア州ではBC V.Q.A.と表記
- V.Q.A.ワインを生産しているのはオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州のみ
100%Canadian Wine
- カナダ産ブドウ100%で造られる高品質ワイン
- V.Q.A.が採用されていない地域や、オンタリオ州やブリティッシュコロンビア州産ワインのV.Q.A.規定に当てはまらないもの
International Blends
- 輸入した原料をカナダでブレンドして生産したワイン
- オンタリオ州ではオンタリオ州産ブドウを25%以上使用しなくてはならない
各州のワイン法
オンタリオ州
原産州表示:Ontario
- 100%オンタリオ州で収穫された認定品種を使用
- D.V.A.表記の場合はそのD.V.A.産のブドウを85%以上使用かつ州内産ブドウ100%
- Designated Viticultural Areasの略
- V.Q.A.によって規定されたアペレーション
- ブドウ栽培の境界線を規定したもの
- アメリカのA.V.A.と同じ
収穫年表示
- 85%以上該当年のブドウを使用
品種名表示
- 1品種表示:85%以上当該品種を使用
- 2品種表示:合計で90%以上かつどちらも15%以上使用
- 3品種表示:合計で95%以上かつ2番目に多い品種が15%以上、3番目に多い品種が10%以上使用
ブリティッシュ・コロンビア州
原産州表示:British Columbia
- 100%ブリティッシュコロンビア州で収穫された認定品種を使用
- G.I.表記の場合は該当GI内で収穫されたブドウを95%以上使用かつ州内産ブドウ100%
- Geographical Indicationの略
- BC V.Q.A.ワインのアペレーション
- オンタリオ州のD.V.A.と同じ
収穫年表示
- 85%以上該当年のブドウを使用
ブドウ品種表示
- 1品種表示:85%以上当該品種を使用
- 2品種表示:合計で90%以上かつどちらも15%以上使用
- 3品種表示:合計で95%以上かつ2番目に多い品種が15%以上、3番目に多い品種が10%以上使用
アイスワイン
- 外気温が-8℃以下になって樹上で凍った状態のブドウを収穫
- V.Q.A.として官能評価を含む検査を合格しなくてはならない
- ヴィンテージ表示義務
- 同一原産地のブドウを100%使用、ラベル記載の原産地名ブドウが85%以上使用
- 認可されたヴィティス・ヴィニフェラ種またはヴィダルのみ使用できる
- 人工的な冷凍や糖分凝縮は禁止
アイスワインは要チェックです。
特に同じアイスワイン産地のドイツでは収穫時の外気温が-7℃だったのに対して、カナダは-8℃と厳しくなっていることに注意してください。
Ontario オンタリオ州
- 1811年Johann Schillerがオンタリオ州でカナダ初のワイン造りを始めた
- ニューヨーク、ペンシルバニア州の影響を受けて発展
- 現在も比較的アイスワインの生産量が多い
- 大陸性気候
それぞれの産地がオンタリオ州に属することを覚えましょう。
主要産地 | 備考 |
Niagara Peninsula | カナダ最大の栽培面積 オンタリオ州ワインの50%以上を生産 2つのリジョナル(地方名)アペレーションと10のサブアペレーションがある |
Niagara-on-the-Lake | ナイアガラペニンシュラのリジョナルアペレーション ヴィダル種のアイスワインを始めて造った |
Lake Erie North Shore | |
Prince Edward County | オンタリオ湖北岸の東端に位置する |
British Columbia ブリティッシュコロンビア州
- カナダ最西端
- 大陸性気候
- ワシントン州の影響を受けて発展
- 9つのサブアペレーションがある
- オカナガンヴァレーが最重要
それぞれの産地がブリティッシュコロンビア州に属することを覚えましょう。
主要産地 | 備考 |
Okanagan Valley | ブリティッシュコロンビア州ワインの80%以上を生産 大陸性気候で降水量が少なく乾燥していて灌漑が必須 |
Kelowna | オカナガンヴァレーのサブリージョン オカナガンヴァレーの北端に位置する最も冷涼な地区 |
Simikameen Valley | ブドウ畑は病害虫の発生しにくい環境にあることから、「カナダのオーガニックの首都」と称される |
Fraser Valley | 太平洋沿岸のバンクーバーから東に延びる海洋性気候のブドウ産地 |
Vancouver Island | バンクーバー島の南半分に広がるブドウ栽培地区 |
カナダ練習問題
本記事で解説したカナダのワイン法と主要産地についてランダムで出題される練習問題を作成しました。
スキマ時間などに是非挑戦してみてください。
最後に
- オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州が二大産地
- カナダ全体のワイン法と、二大産地の固有ワイン法の違いを押さえる
- アイスワインの規定とワイン産地は二大産地の主要な部分だけ覚えておく
カナダは二大産地にくわえて、アイスワイン関係と、州独自のワイン法を見ておきましょう。
ソムリエワインエキスパート試験の勉強法はこちら↓
ソムリエ・ワインエキスパート試験はワインの難関試験です。 勉強も大変そうだし、何から手をつけたらいいのかもわからないですよね。 筆者は年末頃から少しずつ勉強をスタートして、年明けからはオンラインスクールも利用しながら一発で合格す[…]
試験に向けてワインスクールを探している人はこちら↓
今回はソムリエワインエキスパート試験対策講座をオンラインで受講できるオススメなワインスクールTOP3をランキング形式で紹介します。 「仕事や家事が忙しくて定期的にスクールに通えない」 「通学圏内にワインスクールがない」 こんな人には自[…]