今回はソムリエ&ワインエキスパート二次試験のテイスティング試験について解説します。
テイスティング試験というと「ワインを飲んでズバリその品種や収穫年を当てる」というイメージをする人が多いかもしれませんが、実際は違います。
テイスティングはワインの味わいや特性を他人に伝える共通言語です。
品種をズバリと言い当てるよりも、「そのワインを飲んだ印象を正しく表現して伝える」ほうが何倍も重要。
一方でソムリエワインエキスパート二次試験の合格に特化した場合には趣旨が変わり、「試験の出題者が選んでほしい答え」を選ぶことが最も重要になります。
自分が感じたものをきちんと表現しても、それが出題者が選んでほしい答えとズレてしまったら減点。
最悪不合格となってしまうことも…。
ということで本記事では、そんな不合格を回避するために
「本来のテイスティングと試験のテイスティングの違い」
「試験に有効な勉強法」
を解説しました。
記事の後半ではテイスティングコメントの中で特に重要なポイントも紹介しています。
SNSなどでも勉強の方向性を間違えている人をよく見かけるので、この記事を読んで効率的に合格を目指しましょう。
- ソムリエコンクールなど本来のテイスティングとは目的・対策が異なる
- 試験ということは必ず「答え」が用意されている
- 合格のラインはワインの方向性を判別できるかどうか
二次試験テイスティングの内容
- ソムリエ試験
- スティルワイン3種類
- スティルワイン以外のお酒2種類
- 試験時間40分
- ワインエキスパート試験
- スティルワイン4種類
- スティルワイン以外のお酒1種類
- 試験時間50分
- 外観の印象(6問程度)
- 香りの印象(4問程度)
- 味わいの印象(7問程度)
- 総合評価など(3問程度)
- 生産国・生産年・ブドウ品種
例年通りであれば、試験内容は上記のようになります。
スティルワインに関しては設問数が多いですね。
一方でスティルワイン以外のお酒は、そのお酒が何なのか(名前)だけを答えればOK。
以前はスティルワインのブドウ品種の解答が全外れだと、問答無用で不合格となっていました。
しかし近年は試験の方向性が変わり、外観・香り・味わいの表現が適正であれば、ブドウ品種がすべて不正解でも合格できるようになっています。
設問ごとの具体的な配点は毎年変わりますが、過去の傾向をみると外観・香り・味わいのコメント部分の配点が圧倒的に多く、ここを正答することが試験合格に必須の条件といえるでしょう。
受験者の上位75%くらいが合格、残り25%くらいが不合格になります。
高得点を狙ったピンポイントな解答をするよりも、汎用性の広い無難なコメントを選ぶことを意識しましょう。
表現部分の要点は記事後半で解説しています。
生産国・生産年・ブドウ品種は当たらなくて当たり前
一方で生産国・生産年・ブドウ品種はそれぞれ1問ずつである上、特に生産国と生産年に関しては狙って当てる方法はありません。
ブドウ品種はもしかしたら正解が狙えるかもしれませんが、実際は経験豊富でソムリエコンクールに出場する方々ですらも必中させるのは難しいのが現実。
そのため生産国・生産年・ブドウ品種を当てることにこだわる必要はなく、むしろキチンとそのワインを表現することに集中するほうが大切です。
自信がない人はその他のお酒も対策キットで対策しておく
スティルワイン以外のお酒については、出題されるのは結論部分(そのお酒の名前を答える)の1問だけ。
そのためスティルワインの表現がしっかり正答できていれば、スティルワイン以外のお酒は捨て問にしてしまってもOKです。
とはいえ一度でも飲んだことがあれば、高確率で得点できる項目。
スティルワインの表現にイマイチ自信が持てない人は、それ以外のお酒もしっかり対策しておきたい気持ちもわかります。
そんな人向けに、「二次試験で出題されるその他酒類の対策キット」として少量・多種類のお酒がセットになったものが販売されています。
現在バーなどで務めている人ならまだしも、個人で一本ずつこれらのお酒をそろえるのは相当高額な出費ですし、保管場所を用意するのも飲み切るのも大変ですよね。
この対策キットは試験対策に向けた教材もついていて、少しずつのお酒を多種類試し飲みするためのコスパもよくオススメ。保管場所も最低限でOKです。
「その他酒類の対策キット」については「【絶対お得!】その他酒類の二次試験対策にオススメなセット」をご覧ください。
ソムリエ&ワインエキスパートの二次試験で実施されるテイスティング試験。 実はこのテイスティング試験で、ワイン以外のお酒も出題されます。 具体的には、グラスに注がれたお酒を飲んで「そのお酒が何なのか(ジンなど)」を答えるというもの[…]
本来のテイスティングと二次試験のテイスティングは異なる
- 自分がワインを飲んで感じたことを表現する
- ワインを他者に伝える共通言語
- ワインを記憶しやすくする
- 出題者が回答してほしい答えを選ぶ
- 自分の意見は必要ない
本来のテイスティングはワイン業界の「言語」
本来テイスティングとは、そのワインを他者に伝えるための共通言語です。
お互いがその共通言語を理解していれば、「リンゴ・スイカズラの香り」「穏やかな苦味」と表現したときに、聞いた人も同じ印象を思い浮かべることができるという感じですね。
よく二次試験向けに、いろいろな花の香りなどが小分けにされたトレーニングセットみたいなものが販売されていますが、これはこの本来のテイスティング力を身に着けることを目的としています。
「スイカズラの香り」と表現されても、一度も嗅いだことがなければ伝わらないですからね。
またテイスティングと聞いて、ドラマなどのわざとらしいほど大げさでドラマチックな表現をイメージする人もいるでしょう。
しかし聞いた人にうまく伝わらない可能性があるような表現は、共通言語であるテイスティングの役割を果たしていません。。
そのワインを飲んで自分がどう感じたかを他者に伝えたり、ノートなどに記録して未来の自分に伝える。
これがテイスティングです。
小難しい言葉でワインを表現して、他人を置き去りにしてしまわないように気を付けましょう。
二次試験のテイスティングは「問題の正解を選ぶ」
一方で二次試験のテイスティングは、本来のテイスティングとは目的が異なります。
二次試験はあくまで試験ですので、当たり前ですが問題と、それに付随して必ず正解と不正解が設定されていますよね。
つまり、「出題者がこう答えてほしい」という回答を選ぶことが目的で、自分がどう感じたかは問われていない(もしくは自分が感じたものを試験の解答用に調整する必要がある)ということです。
逆に言うと「こういうワインを飲んだらこういう表現をする」ということを覚えておけば、出題者のほしい答えを選べて、結果として試験に合格する可能性があがります。
「スイカズラの香り」がわからなくても、「スイカズラの香りと表現するワイン」がわかればOK、ということですね。
具体的には白・赤それぞれいくつかのタイプに分けたワインを判別できるようにして、そのタイプごとの解答を覚えることが重要です。
本来の共通言語としてのテイスティングとは異なりますが、受験者としてはまず試験に合格したいですよね。
合格さえしてしまえば、本来のテイスティング訓練はそのあと時間を使って自由に進められます。
試験対策をばっちりにして、「試験なんてさっさと合格してしまおう!」という取り組み方が効率的でオススメですよ。
ワインの方向性を感じ取れるかどうかが合否ライン
- 黒みがかったワイン⇔明るいワイン
- 緑がかったワイン⇔黄金色のワイン
- ニュートラル系品種⇔アロマティック品種
ワインにはいくつかタイプがあります。
例えば赤ワインではカベルネソーヴィニヨンやメルロのように色が濃いワインと、ピノノワールやカベルネフランのように色が明るいワイン。
白ワインでいうとステンレスタンク熟成のシャルドネ(ニュートラル系)とヴィオニエのように華やかな香りが特徴的な品種(アロマティック系品種)などですね。
二次試験ではこのタイプを感じ取る力が問われているといっても過言ではありません。
ワインを見て・嗅いで・味わって、そのワインがどのタイプに入るのかを判別し、タイプにあわせて事前に覚えておいた解答を選ぶ。
すると必然的に合格に必要な得点はキープできることになります。
タイプは絶対に判別する
「色の明るいピノノワールのワインを色の濃いワインと表現しまう」「華やかなヴィオニエをニュートラルなシャルドネだと思ってしまう」というような、ワインのタイプを間違えてしまうミスはかなりの痛手。
表現が全く違ったものになるので、合格は遠のいてしまうでしょう。
一方で「カベルネソーヴィニヨンとメルローの違いがイマイチつかみきれない」というような、「同じタイプの中での品種差」については正確に判別できなくても大きな問題にはなりません。
結局同じタイプであれば表現は同じようなキーワードを選ぶことになり、最後の品種名だけが異なるからですね。
タイプを把握すればいいだけなので、タイプごとの代表的な品種を判別できれば合格は目の前です。
テイスティング試験の勉強というと、「何十種類もの品種のワインを飲んで、それぞれの違いを把握する」というイメージする人もいますよね。
しかし試験に合格するだけなら、そこまで大変なことをしなくても大丈夫です。
ただし何度も言いますが、タイプが判別できることは合格の必須条件です。
例えば「アロマティック系の白ワインを飲んだことがない」なんて人は、試験までに必ず飲んで判別できるようにしておきましょう。
次の項目ではタイプごとの代表的な品種を載せておきます。
本番を想定したちょうどいい価格帯のワインもピックアップしてあるので、練習用ワインを選ぶ参考にしてください。
テイスティングコメントは一貫性を持たせる
- 外観・香り・味わいの印象を揃える
- ネッビオーロは注意が必要
二次試験のブラインドテイスティングではワインに対して
- 外観
- 香り
- 味わい
- 総合評価
- 結論
という項目ごとの選択肢からコメントを選んでいくことになります。
ここで重要なのは解答に一貫性を持たせること。
一貫性とは例えば、外観で色の濃いどっしりとしたコメントを選んだら、香りや味わいについてもフルボディ寄りのどっしりしたコメントを選ぶということです。
色の濃いどっしりとした外観で、軽やかでライトな味わいのワインがこの世に絶対存在しないかと言われるとそうではありません。
しかし試験対策の段階では、基本的にこの外観・香り・味わいの表現は同じ強度で評価していくことがポイント。
特にソムリエ&ワインエキスパート試験は、ソムリエとしての基本的な能力があるかを問われているので、基本をしっかり押さえて解答していくことが重要です。
ネッビオーロ種は、強いタンニンと酸を持ちながら色合いが淡いことが特徴。
外観はライトなのに味わいは重たい印象となり、外観・香り・味わいの一貫性が取れなくなることを覚えておいて下さい。
ネッビオーロ種は試験に出題される可能性が十分にある品種なので、もし色の淡い(そして一般的には茶色やオレンジの印象が強い)赤ワインが出題されたら注意が必要です。
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飲む前からキーワードが決まっている項目がある
- 外観の清澄度・輝き
- 香りの第一印象
- 味わいの甘味・赤ワインの酸味・白ワインの苦味
- 総合評価の適正温度・グラスサイズ・デカンタージュ
テイスティング試験ではワインに対する評価を項目ごとに選んでいくことになります。
その際に試験に出題しやすいワインを考えると、ある程度解答が決まってしまう項目があります。
価格帯は2000~3000円程度の若いワインが出やすい
テイスティング試験は全国にある会場で同日に、同じラインナップのワインで行われます。
ということは同じワインがかなりの本数必要になりますね。
予算の都合もあるでしょうから、1本何万円もするような高級ワインが出題されるとは考えづらく、高くても大体2000~3000円程度のグレードが現実的なラインであると予想できます。
また試験として成立させる都合上、それぞれのワインに対してかならず「正しい答え」が用意されています。
そのためボトルの保管状態・個体差によって評価が変わってしまうような長期熟成ワインなどの出題は難しく、比較的若くて状態が揃えやすいものが出題されやすいでしょう。
試験に出やすいワインがわかると選ぶキーワードもわかる
試験に適したワインの条件がわかることで、「ワインの健全度を示す清澄度と輝き」「ワインのグレードによって扱いの異なる適正温度・グラスサイズ・デカンタージュ」については試験が始まる前から選ぶキーワードが決まっていることがわかります。
「香りの第一印象」「味わい評価の甘味」「赤ワインの酸味」「白ワインの苦味」についても、過去の傾向から「とりあえずこれを選んでおけば見当はずれにはならない」という選び方をすることが可能です。
一つずつ紹介していくので試験対策の参考にしてくださいね。
外観の清澄度・輝き
- 清澄度:澄んでいる
- 輝き:輝きのある
外観の中でも清澄度と輝きは、ワインの健全度を示します。
そして状態に問題のない若いワインは、澄んでいて輝きがあるのが当然です。
↑の写真を見ると、透明でワインの淵が輝いていますね
澄んでいないワインや輝きのないワインは、どこかに不健全な部分があるイレギュラーの存在。
そういったワインを、狙って全試験会場に行きわたらせることはほぼ不可能でしょう。
ペットナットやオレンジワインのように通常で濁ったワインも確かに存在しています。
しかしそういったワインは保存が効かず、流通に耐えることが難しいので出題の可能性は低いです。
また万が一出題されても、見れば明らかに濁っているとわかるので都度対応しましょう。
見慣れたワインが出題されたら、清澄度と輝きについては即答してくださいね。
香りの第一印象
- 開いているを選ぶ
試験に出題されやすいワインは、健康で若くて価格が2000~3000円くらいのワインです。
この条件に当てはまるワインは、ほとんどの場合に香りは開いています。
選択肢に「開いている」がなかったとしても、「強い」であったり「華やかな」といったそれに近しい表現をするようにしましょう。
逆に「控え目」であったり「閉じている」といった表現をすることは、一部の例外を除いて基本的にはありません。
味わいの「甘味」
- 甘味:赤白ともに「まろやか」、白ワインは「ドライ」も可
- 赤ワインの酸味:「丸みのある」
- 白ワインの苦味:「控え目な」「穏やかな」
試験にはドライワイン(甘口ワインではなく普通の辛口ワイン)が出題される傾向にあります。
となると甘味は基本的に、果実味を少し感じるかどうかといった程度になるので、表現は赤白ともに「まろやかな甘味」くらいが無難でしょう。
シャブリのようなキレッキレのドライワインであれば「ドライ」を選ぶことも視野に入りますが、それを「まろやかな甘味」と表現したとしても正解になることが多いようです。
一方でもし甘口ワインが出題された場合には「豊かな甘味」など、「これは甘いワインですよ」と伝わる項目を選んでおきましょう。
赤ワインの「酸味」
赤ワインの酸味は「丸みのある酸味」と表現するのが基本です。
これは赤ワインの醸造過程にマロラクティック発酵が行われていて、その影響により酸が丸くなるからですね。
例外としてネッビオーロはマロラクティック発酵を経ても強い酸味を持つことが特徴です。
ネッビオーロを判別できたときは「ストレートな酸味」と表現をすると、よりいい表現となるでしょう。
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白ワインの「苦味」
白ワインの苦味は「控え目」「穏やかな」のように、とにかく「強い苦味ではない」という選択をすることが基本です。
テイスティングの超基本に、「ワインに対してネガティブな表現をしない」というものがあり、白ワインに対して強い苦味を表現するとネガティブな印象になりやすいからですね。
品種やワインによっては「うまみを伴った苦味」のように表現をすることもありますが、試験に出題されやすいワインの中には多くありません。
「粘性」と「色調」が「味わい」に紐づく
- 外観で最も重要なのは「粘性」で、「味わい」と結びつく
- 「色調」も「香り」や「味わい」に結びつく
外観の中で特に重要なのが「粘性」と「色調」です。
「粘性」は絶対外さない
テイスティングの中で最も重要なのが粘性です。
粘性はアルコール・アタック・余韻に紐づくため、正しく判断できないと紐づく3項目もすべて不正解になってしまいます。
粘性の強弱は、グラスを一度横にしてから縦に戻した際にワインがグラスの内側を伝う速度・様子で判断しましょう。
ワインの粘性は原料ブドウの糖度が強ければ強く、弱ければ弱くなります。
アルコールの元である糖度の高いブドウ(=成熟度の高いブドウ)から作られたワインは、当然アルコール度数が高くなりますね。
アタック(味わいの第一印象)と余韻も、成熟度の高いブドウから作られたワインは基本的に強く・長くなる傾向があります。
つまり粘性を「強い」と表現したなら、アルコールも「強い」、アタックも「強い」、余韻は「長い」(余韻については例外もあります)と表現するのが鉄板、となるわけです。
粘性を正しく判断できれば紐づく3項目も自然と解答できるため、粘性を正しく評価することは試験合格には非常に重要です。
記事の後半で日々のワインライフの中でも簡単にできる粘性判断の練習方法を紹介していますので絶対チェックしてくださいね。
「色調」と「香り」のキーワードを連動させる
「色調」も、大まかな分別で「香りの評価」と連動する部分があります。
例えば「グリーンがかったレモンイエローの白ワイン」の場合を想定しましょう。
この外観のとき、香りの果実・花・植物の項目で「かんきつ類、白桃、洋ナシ、リンゴ、すいかずら、アカシア」の中から選ぶのが基本。
香りの表現は慣れるまで難しく、何を選んでいいのかわからない人も多いと思います。
そんな人は二次試験に合格することだけを考えて、外観に香りのキーワードを紐づけて覚えてしまいましょう。
粘性判別の練習方法
- 飲むワインのアルコール度数と粘性を見比べる
- 試験本番と同じグラスが望ましい
テイスティングの外観の中で最重要ともいえる粘性のトレーニング方法をご紹介します。
やることは非常に単純です。
ワインのラベルにはかならずアルコール度数が書かれていますね。
そのアルコール度数を見て、ワインの粘性を確認する。これだけです。
大体アルコール度数ごとに
- 12%以下:やや弱い
- 13%台:中程度
- 14%以上:やや強い~強い
といった表現をします。
これと粘性を紐づけて覚えていきましょう。
試験本番の選択肢に合わせて対応する
試験本番の解答用紙に「中程度」の選択肢がないこともありえます。
もし13%台と判断したのに「中程度」の選択肢がなかったときは、「やや強い」でも「やや弱い」でも正解になるので慌てないように。
例えば粘性を「やや弱い」と表現したのに、アタックを「やや強い」と表現してしまうと、一貫性がなくなってしまいますね。
このあたりの微調整は試験当日に随時対応する必要があるので覚えておきましょう。
ワイングラスによる粘性の違い
粘性はワイングラスの形状などによって若干印象に差が出ることわかっています。
テイスティングの練習は試験本番と同じグラスを使ったほうがいいといいますが、これがその理由の一つということですね。
家と試験でグラスが違うと、家では完璧に判別できても、試験当日では外してしまうこともありえます。
試験は下記のISOグラスで行われますので、興味がある人はチェックしてみてください。
主な白ワインのタイプ
- 「個性系」の2品種はアロマティック系といわれることもある
- シャルドネはステンレスタイプと木樽熟成タイプも判別する必要がある
タイプごとのキーワードは「【白ワイン編】二次試験でのテイスティングコメントの選び方」で詳しく解説しています。
タイプ | 品種 |
ニュートラル系 | シャルドネ(ステンレス) 甲州 ミュスカデ |
アロマティック系 | ゲヴュルツトラミネール トロンテス ヴィオニエ |
個性系 | ソーヴィニヨンブラン リースリング |
木樽熟成 | シャルドネ(木樽熟成) |
- 出題本命ともいわれる日本の甲州
- イエローの印象が極端に少ない独特な色調が特徴
- シュール・リー製法のものが出題されることが多い
今回はシュール・リー製法について解説します。 白ワインの醸造用語の一つですが、日本の甲州にもよく用いられるため、ワイン売り場で目にしたことがあるキーワードかもしれません。 通常の白ワインとは少し違った工程で造られるのが特徴で、ワ[…]
- ステンレスタンクタイプのシャルドネ
- このタイプはシャブリスタイルの出題が多い
- アルザスのゲヴュルツトラミネール(アロマティック系)
- アロマティック品種は一度は飲んでおく
- ロワールのソーヴィニヨンブラン
- ニューワールドに比べると香りが穏やかでミネラルが豊富
- アルザスのリースリング
- ペトロール香(石油のような香り)が特徴
- 木樽熟成タイプのシャルドネ
- ステンレスタイプのシャルドネと飲み比べたりして違いを明確にしておく
主な赤ワインのタイプ
- カリフォルニアやオーストラリアなどのカベルネソーヴィニヨンは色調がより濃い傾向がある
- タイプには入っていないがイタリアのサンジョベーゼやネッビオーロは個別に判別できると尚良い
色調ごとのコメントの選び方は「【赤ワイン編】二次試験でのテイスティングコメントの選び方」をご覧ください。
タイプ | 品種 |
明るい色調系 | ピノノワール マスカットベーリーA カベルネフラン |
濃い色調系 | カベルネソーヴィニヨン メルロ |
より濃い色調系 | シラー シラーズ カベルネソーヴィニヨン(一部ニューワールド) |
- 出題本命の日本のマスカットベーリーA
- ライトボディ代表の一角
- ブルゴーニュのピノノワール
- ニューワールド(カリフォルニア)と飲み比べておくとベスト
- ピノノワールは価格や産地で味わいが大きく異なるが、ブルゴーニュからの出題はこのグレードく
- カリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン
- フランスと比べて色が濃い
- オーストラリアのシラーズ
- 非常に色が濃い
- フランス(ローヌ)と比べるとスパイス感が少ない
最後に
- 試験のテイスティングでは出題者の求める回答を選ぶ
- 細かく品種を判別するのではなく、大まかなタイプを判別する
- 試験対策用のワインを選ぶ際にはタイプ別に選ぶようにする
- テイスティング評価は一貫性を持たせる
- 試験に出題されやすいワインは条件がある
- 選ぶキーワードが決まっている項目がある
- 「粘性」はと連動する
- 「色調」は「香り」と連動する
効率的な学習は時間や気持ちにゆとりができるうえに、不要な出費も抑えることができます。
テイスティング試験と聞くとどうしても「難しい」「あらゆるワインを網羅しないと合格できない」というようなイメージになりがちですが、実際はベテランソムリエのような技能は要求されません。
試験の合格するためのスキルはどのくらい必要なのかを把握しましょう。
テイスティングといってもあくまで試験であるため、必ず試験対策というものが存在します。
外観の印象の中では「粘性」と「色調」が重要で、中でも「粘性」は「アタック」「アルコール」「余韻(例外あり)」と連動するため絶対に間違えたくない項目です。
「色調」は「香りの印象」と連動しています。
「香りの印象」は最初難しいと感じる人が多い項目ですが、「色調」とキーワードを紐づけると対策が少し楽になります。
詳しいコメントの選び方を解説した記事もありますので是非チェックしてください。
最後には粘性のトレーニング方法として、ラベルに記載されたアルコール度数を見て粘性を確認するという方法を紹介しました。
粘性はグラスによって若干印象に差が出るので、できれば試験当日と同じグラスでチェックすることが望ましいです。
要点をつかんで二次試験突破を目指しましょう。
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