- 新世界に分類されるが、ワイン生産の歴史が長い国
- ワインはほぼ西ケープ州で造られ、特にステレンボッシュに集中
- 環境保護への意識が高い
- ワイン法や歴史なども重要
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。
今回は南アフリカです。
南アフリカはワイン生産の歴史が360年以上もあります。
18世紀頃にはヨーロッパでも高品質なワイン産地として知られていました。
環境保護やサスティナビリティへの意識も高く、世界で初めてワインにサスティナビリティを保証するシールを採用しています。
ワイン生産地は西ケープ州に集中していて、特にステレンボッシュが生産量の大半を占める一極集中型。
歴史、主要品種、気候風土にいくつかポイントがあるので覚えていきましょう。
試験では主要なキーワードを覚えて、基本的な部分を解答できるようにすればOKです。
今回はそんな南アフリカのポイントをまとめて、最後に練習問題を載せました。
キーワードが多めな産地ですが、練習問題を活用してしっかり覚えましょう。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています。
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
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主要ブドウ品種
- 白ブドウが生産量の55%という若干白寄りの産地
- スティーンとピノタージュが特に重要
南アフリカは白ブドウが多めの産地です。
特にシュナンブランの栽培面積は世界最大。
ピノタージュは生産量こそ少ないものの、固有の交配品種のため試験に頻出です。
主要ブドウ品種 | 備考 |
Chenin Blanc シュナンブラン |
別名:Steen 世界で最も栽培面積が大きい 同国の栽培面積でも最大 |
Colombard コロンバール |
|
Sauvignon Blanc ソーヴィニヨンブラン |
|
Cabernet Sauvignon カベルネソーヴィニヨン |
南アフリカの黒ブドウで栽培面積最大 |
Shiraz シラーズ |
|
Pinotage ピノタージュ |
ピノノワール×サンソーの交配品種 近年は減少傾向 |
気候風土のポイント
- ベンゲラ海流という寒流により冷涼
- 基本は地中海性気候
- ケープドクターという乾燥した強い風が春~夏に吹く
南アフリカでは国内6つの州でワインが生産されていますが、その内9割が西ケープ州に集中。
西ケープ州の気候風土はしっかり見ておきましょう。
南アフリカというと暖かいイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし西ケープ州のような海岸エリアは、Benguela海流という寒流の影響で緯度のわりに冷涼です。
基本的には地中海性気候であることも忘れずに。
春から夏にかけて西ケープ州に吹く乾燥した強風をCape Doctorといいます。
ケープドクターはブドウを病害から守る効果があり、防虫剤などの使用を最小限に抑えられています。
歴史のポイント
- 1659年2月2日ケープのブドウから最初のワインが造られた
- 1726年甘口ワインConstantiaの輸出が開始
- 1918年生産者団体KWVが発足し品質の保証が図られる
- 1948年~1994年アパルトヘイト政策
南アフリカは、初めてワインが造られた月日が残っている珍しい国です。
1659年ケープの初代提督となった東インド会社のJan van Riebeeckが南アフリカワインが初めて造られたことを日記に記しました。
18世紀に輸出が始まった甘口ワインのConstantiaは、ヨーロッパ貴族の間でも人気に。
ヴェルサイユ宮殿のセラーにはブルゴーニュワインを上回る数のコンスタンシアワイン「Vin de Constance」があったと言われます。
1918年にはケープのワイン産業を健全化するため、KWV(南アフリカブドウ栽培者共同組合)が発足。
ブドウの最低価格を保証し、需給調整を行いました。
しかし1948年に行われたアパルトヘイト政策(いわゆる白人優遇)によって、南アフリカは国際社会からパッシングを受けて輸出は激減してしまいます。
そして1994年、ネルソンマンデラ大統領就任によってアパルトヘイト政策が撤廃。
急速に輸出量を増やし、この20年で輸出量は20倍になっています。
ワイン法
Wine of Origin(W.O.)
- 原産地呼称制度
- 1973年制定
ラベル表記
- ブドウ品種と収穫年は85%以上当該ブドウを使用
- 産地表記は100%当該産地のブドウを使用
産地W.O.を表示する規定が厳しい点に注意です。
ブレンドに関する表記
南アフリカはブレンドワインも多いです。
それぞれブレンドの内容によって呼び名があるので覚えておきましょう。
ブレンド名 | 備考 |
Bordeaux Blend ボルドーブレンド |
南アフリカのブレンドで最も多い 赤:カベルネソーヴィニヨン&メルロ主体 白:ソーヴィニヨンブラン&セミヨン主体 |
Rhone Blend ローヌブレンド |
赤:シラー&ムールヴェードル&グルナッシュ主体 白:マルサンヌ&ルーサンヌ主体 |
Cape Blend ケープブレンド |
赤:ピノタージュ主体 白:スティーン主体 |
Methode Cap Classique (MCC)
- 南アフリカで生産される瓶内二次発酵方式のスパークリングワインの総称
- 最低瓶内熟成期間は12か月
- シャンパーニュと同じピノノワール・シャルドネ・ムニエが中心
南アフリカのスパークリングワインといえばキャップクラシックです。
瓶内二次発酵で、シャンパーニュと同じ品種を使うことも覚えておきましょう。
主な生産地域
- 生産地TOP3はステレンボッシュ>パール>ロバートソン
- まずは沿岸地域の主要産地を押さえる
沿岸地域のステレンボッシュは絶対に覚えてください。
次いで生産量2位のパールまでは必修です。
Coastal Region 沿岸地域
- 南アフリカのワイン産業の中心
主要産地 | 備考 |
Stellenbosch ステレンボッシュ |
同国の栽培面積第1位 日本に輸入されるワインの大半がステレンボッシュ産 7つのサブリージョンがある |
Paarl パール |
同国の栽培面積第2位 国内最大のワイン輸出メーカー「KWV」のホームタウン |
Cape Town ケープタウン |
Vin de Constanceの産地であるコンスタンシア小地区を有する |
Breede River Valley ブリード リヴァー ヴァレー
- ブリード川沿いにブドウ畑が広がる
- シュナンブランとコロンバールの主要産地
主要産地 | 備考 |
Robertson ロバートソン |
同国の栽培面積第3位 キャップクラシックの評価も高い |
Cape South Coast ケープ サウス コースト
- 西ケープ州最南端に位置する
- 冷涼な気候からピノノワール・シャルドネ・ソーヴィニヨンブランなどが高品質
主要産地 | 備考 |
Elgin エルギン |
冷涼なエリアでソーヴィニヨンブランが高評価 |
Walker Bay ウォーカーベイ |
冷たい海風による冷涼な気候 ピノノワールの産地として注目 |
南アフリカ練習問題
本記事で解説した南アフリカのポイントについてランダムで出題される練習問題を作成しました。
スキマ時間などに是非挑戦してみてください。
最後に
- ワイン産地は沿岸地域のステレンボッシュが最重要
- ブドウ品種はシュナンブランとピノタージュを要チェック
- 産地は限られるがその分ワイン法や歴史などもチェックする
南アフリカは品種や産地など、基本的な部分を覚えればOKです。
高品質&お手頃価格なワインが多いので、日々の晩酌にオススメですよ!
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