- 格付けのグランクリュがどの地区に所属するか
- 醸造方法と日本語-フランス語の紐づけ
- シャンパーニュのタイプや生産形態を示す表示などの基本事項
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。
今回はシャンパーニュの格付けと醸造手順です。
シャンパーニュの格付けは、グランクリュに認定されている村がどの地区に属するかが重要です。
醸造方法は「手順・その作業をフランス語でなんと言うか・どういった作業を行うか」をしっかり覚える必要があります。
今回はシャンパーニュのグランクリュ、醸造方法について要点を解説しました。
後半では「ブドウ品種」「ラベル表示」など、シャンパーニュに関する基本情報と練習問題も載せています。
それぞれ勉強の手助けにお役立てください。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています。
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
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シャンパーニュの格付け
シャンパーニュの格付けは村ごとにされています。
格付けされた村で収穫されたブドウを使うと「グランクリュ」や「プルミエクリュ」という表示をすることが可能。
試験では、「〇〇(グランクリュ名)がある地区を選べ」のような出題がされます。
17村が認定
42村が認定
シャンパーニュの4大産地
- モンターニュ ド ランス地区
- ヴァレ ド ラ マルヌ地区
- コート デ ブラン地区
- コート デ バール地区
シャンパーニュ地方は上記4地区に分類されます。
試験勉強では、17村のグランクリュがそれぞれどの地区に所属するかを覚えることが大切。
しかし17村のうち半分以上の9村がモンターニュ ド ランス地区にあり、コート デ バール地区にはグランクリュがありません。
「モンターニュドランス地区にはいくつのグランクリュがあるか」のような出題されるので、地区名に紐づけて村数も覚えておきましょう。
「C」「O」で始まるのはコートデブラン地区のみ
これだけでも暗記がかなり楽になります。
消去法もどんどん使っていきましょう。
モンターニュ ド ランス地区
9村のグランクリュがあります。
Ambonnay アンボネー |
Bouzy ブージー |
Mailly-Champagne マイイ・シャンパーニュ |
Verzy ヴェルジ |
Verzenay ヴェルズネー |
Beaumont-sur Vesle ボーモン シュール ヴェズル |
Louvois ルーヴォワ |
Puisieux ピュイジュー |
Sillery シルリ |
ヴァレ ド ラ マルヌ地区
2村のグランクリュがあります。
ここは少ないので最初に頭に入れてしまいましょう。
Aÿ アイ |
Tours-sur-Marne トゥール シュール マルヌ |
コート デ ブラン地区
6村のグランクリュがあります。
名前もなんとなく似ている物が多いですね。
Avize アヴィズ |
Chouilly シュイイ |
Cramant クラマン |
Mesnil-sur-Oger メニルシュールオジェ |
Oger オジェ |
Oiry オワリー |
コート デ バール地区
先述の通り、コート デ バール地区にはグランクリュがありません。
シャンパーニュの醸造方法
シャンパーニュは瓶内二次発酵方式で造られますが、この醸造の手順も要チェックです。
フランス語でなんと表現するかも覚える必要があるので、醸造手順を日本語とフランス語で並べてリストにしてあります。
試験は選択式なのでスペルを正しく書ける必要はなく、カタカナで覚えてアルファベット表記がなんとなく読めればOKです。
手順 | 日本語 | フランス語 |
1 | 収穫 | Vendange ヴァンダンジュ |
2 | 圧搾 | Pressurage プレスラージュ |
3 | 果汁清澄 | Débourbage デブルバージュ |
4 | アルコール発酵(一次発酵) | Fermentation Alcoolique フェルマンタシオン・アルコリック |
5 | マロラクティック発酵 | Fermentation Malolactique フェルメンタシオン マロラクティック |
6 | 調合 | Assemblage アッサンブラージュ |
7 | 瓶詰 | Tirage ティラージュ |
8 | 瓶内二次発酵 | Deumixieme Fermentation en Bouteille ドゥジエム フェルメンタシオン アン ブテイユ |
9 | 瓶内熟成 | Maturation sur lie マチュラシオン シュール・リー |
10 | 動瓶 | Remuage ルミアージュ |
11 | 檻抜き | Dégorgement デゴルジュマン |
12 | 糖分調整 | Dosage ドサージュ |
13 | 打栓 | Bouchage ブシャージュ |
14 | ラベル貼り | Habillage アビアージュ |
シャンパーニュの醸造方法に関する要点
1:収穫 Vendange
手摘み収穫が義務付けられています。
2:圧搾 Pressurage
シャンパーニュは4000kgのブドウから2550lの果汁のみ使用することができます。
このうち2050lを一番搾り、500lを二番絞りとして区別します。
酸が強く長期熟成向き
。
フルーティだが酸が少な目で熟成には不向き
5:マロラクティック発酵 Fermentation Malolactique
マロラクティック発酵は義務ではなく、各生産者の判断で必要に応じて行います。
今回はマロラクティック発酵(MLF)について解説します。 MLFをするとワインの酸味がまろやかになる効果がありますが、するかどうかは生産者が求めるスタイルによって任意です。 ほとんどの赤ワインと一部白ワインで行われますが、ときに[…]
7:瓶詰 Tirage
瓶内二次発酵の糖分を確保するため、ワインにLiqueur de Tirageという糖分と酵母の混合液を添加して瓶詰するので、
瓶詰=Tirage
と訳されます。
リキュール ド ティラージュにはワイン1リットルに対して24gの蔗糖が入ります。
8:瓶内二次発酵 Deumixieme Fermentation en Bouteille
シャンパーニュは瓶内二次発酵後のアルコール度数が最低11%以上で、最大13%でなくてはなりません。
9:瓶内熟成 Maturation sur lie
ヴィンテージシャンパーニュかノンビンテージシャンパーニュによって、それぞれ最低の瓶内熟成期間が定められています。
10:動瓶 Remuage
Pupitreという穴の開いた木板にワインを差し込み、毎日少しずつ回転させて澱を瓶口に集めます。
11:檻抜き Dégorgement
瓶口を-27℃に凍らせて抜栓しすると、瓶口に溜まった澱が外に飛び出して澱抜きが完了します。
12:糖分調整 Dosage
澱抜きで目減りした分をLiqueur d’expéditionというリキュールを加えて補填します。
ここで添加するリキュールの糖分量で残糖量が決定し、Brutなどのラベル表記が決定します。
スパークリングワイン・スティルワインの残糖表示に関しては下記リンクの記事で解説しています↓↓
・ワインの残糖量一覧&練習問題
13:打栓 Bouchage
コルクを打ちこみ、Museletと呼ばれる針金で固定します。
シャンパーニュの基本事項
- 主要品種
- 主要A.O.C.
- 細かなラベル表記
基本的なことも高頻度で出題されるので見ておきましょう。
主要3品種
主要3品種 | 備考 |
シャルドネ | 主要3品種でもっとも栽培面積が狭い コート デ ブラン地区、コート ド セザンヌなどで主に栽培 長期熟成向け |
ピノノワール | モンターニュ ド ランス地区、コート ド バール地区で主に栽培 主要3品種でもっとも栽培面積が広い |
ムニエ | ヴァレ ド ラ マルヌ地区で主に栽培 |
下記4品種も使用を認められていますが、主要3品種で99%以上を占めていて実際はほとんど使われていません。
- アルバンヌ
- プティメリエ
- ピノブラン
- ピノグリ(フロマントー)
主要A.O.C.
主要A.O.C. | 備考 |
Champagne シャンパーニュ |
最も有名な瓶内二次発酵のスパークリングワインA.O.C. 白とロゼが認められる |
Coteaux champenois コトーシャンプノワ |
シャンパーニュエリアのスティルワイン用A.O.C. 赤・白・ロゼが認められる |
Rose des Riceys ロゼ デ リセイ |
レ リセイ村で造られたロゼのスティルワインのみ認められたA.O.C. ピノ・ノワール100%で造る |
ラベル表記
ヴィンテージ表記
シャンパーニュは、複数ヴィンテージの原酒を混ぜて造るので、ヴィンテージ表記がないものが多いです。
優良年のみ、その年に収穫されたブドウだけを使用して造られたシャンパーニュが造られ、ヴィンテージが表記されます。
ヴィンテージ表示 | 備考 |
Non Millesime ノンミレジメ |
ヴィンテージ表記のないシャンパーニュ |
Millesime ミレジメ |
瓶詰から36か月は出荷することができない ヴィンテージシャンパーニュ |
原料ブドウによる表記
原料のブドウ品種によっては特別な記載することができます。
ラベル表示 | 備考 |
Blanc de blancs ブランドブラン |
「白の白」という意味 白ブドウのみから造った白ワイン シャルドネ100%で造られたシャンパーニュ |
Blanc de noir ブランドノワール |
「黒の白」という意味 黒ブドウから造った白ワイン 大半はピノ・ノワール100%で造られる |
生産形態についての表記
シャンパーニュはその生産形態によって、以下7種の略式記号を記載する義務があります。
- NM:Negociant-Manipulant
- RM:Recoltant-Manipulant
- CM:Cooperative de Manipulant
- RC:Recoltant-Cooperateur
- SR:Societe de Recoltants
- ND:Negociant-Distributeur
- MA:Marque d’Acheteur
生産形態の略式記号 | 備考 |
NM | 原料のブドウを一部、または全部を農家から購入して製造を行う生産形態 シャンパーニュ製造のほとんどがこれ 大手メゾンも当てはまる |
RM | ブルゴーニュのドメーヌ ブドウ栽培からワイン製造まで一貫して行う生産形態 |
CM | 農家が共同組合にブドウを持ち寄って、組合がワイン製造・販売を行う生産形態 |
RC | CMのように組合に農家がブドウを持ち込んでワイン製造を依頼するが、販売は栽培農家の自社銘柄として販売する生産形態 |
SR | 同族の栽培農家で造る団体によってシャンパーニュを生産する生産形態 RMより少し規模が広いイメージ |
ND | 製造されたシャンパーニュを買い取り、自社でラベルを貼付して販売する生産形態 |
MA | 生産業者ではなく、顧客(スーパーマーケットやレストラン、著名人など)がラベル貼付を行いブランド化する生産形態 |
シャンパーニュ練習問題
本記事の項目のうち、グランクリュと製造方法についてランダムで出題される練習問題を作成しました。
何度も挑戦して記憶の定着に役立ててください。
最後に
今回はシャンパーニュの格付けと醸造方法を中心に広く解説しました。
出題頻度は高い地域なので、確実に正解できるよう詰めておきましょう。
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