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ワイン概論/ソムリエワインエキスパート試験対策&練習問題

  • ワイン学習の基礎
  • キーワードが多いが全て重要
  • 練習問題を何度も解いて覚える

ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。

今回はワイン概論です。

ワイン概論では、「ワインとは何か」から細かい醸造用語まで、ワインの基本を勉強します。

今回はそんなワイン概論についてポイントをまとめて、最後に練習問題を載せました。

ワインに関するすべての基礎で、試験にも出やすい重要な項目です。
練習問題を活用して絶対にマスターしてください。

ワイン概論のうち、「ワインの残糖量」と「栽培用語・醸造用語」の2項目はそれぞれ別の記事で解説しています。
いずれも丸暗記が必要ですが、出題頻度は高いのでしっかり把握しておきましょう↓↓
・ワインの残糖量一覧&練習問題
・栽培用語・醸造用語一覧&練習問題
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズは、筆者が一次試験合格までに学習した内容を項目別にまとめたものです。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
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ワインの定義と種類

ワインの定義

ワインとはブドウを原料とした醸造酒です。

地域にもよりますが、原則として糖分や水分の添加は認められていません

これにより、原料であるブドウの成分がそのままワインの品質に影響することになります。

ワインの種類

  • スティルワイン(Still Wine)
  • スパークリングワイン(Sparkling Wine)
  • フォーティファイドワイン(Fortified Wine)
  • フレーヴァードワイン(Flavored Wine)

ワインは上記4種類に分類されます。

スティルワイン(Still Wine)

  • アルコール度数:9~15%程度
  • 一般的にいうワインのこと
  • 果汁を発酵させた発泡性のないワイン

スパークリングワイン(Sparkling Wine)

  • 一般的には3気圧以上の発泡性ワイン
  • 3気圧に満たないものは弱発泡性ワインとされる
【例】
Champagneシャンパーニュ(フランス)
Cavaカヴァ(スペイン)
Spumanteスプマンテ(イタリア)【弱発泡性ワインの例】
Petillantペティヤン(フランス)
Perlweinパールヴァイン(ドイツ)
Frizzanteフリザンテ(イタリア)

フォーティファイドワイン(Fortified Wine)

  • アルコール度数:15~22%程度
  • 醸造工程中にアルコールを添加した酒精強化ワイン
  • 通常のワインに比べて保存性が高くなる
【例】
Sherryシェリー(スペイン)
Port wineポートワイン(ポルトガル)
Madeiraマデイラ(ポルトガル)
V.D.N. Vin doux Naturelヴァンドゥナチュレル(フランス)
V.D.L. Vin de Liqueurヴァンドリキュール(フランス)
※特に有名なV.D.L.にPineau des Charantesピノーデシャラントがある

フレーヴァードワイン(Flavored Wine)

  • 薬草や甘味料などを加えたワイン
【例】
Sangriaサングリア
Vermouthヴェルモット
Lilletリレ
Retsinaレッチーナ

アルコール発酵について

アルコール発酵とは

  • 糖分が酵母の働きによってアルコールと炭酸ガスに分解されること
  • 糖分がないとアルコールにはならない
  • 米や麦などの穀物はデンプンを糖化させる必要がある
  • 酵母はアルコール度数が15度程度になると死滅する

アルコール発酵の勉強は、ワインに限らずお酒全般の知識として超基本になりますね。

アルコール発酵とは、「糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されること」を言います。
酵母が糖分を食べて、アルコールと炭酸ガスを排出するわけですね。

次々と糖がアルコールに変換されていくと、アルコール濃度が増加。
ある程度の度数になると、自身が排出したアルコールによって酵母の活動は停止します。

酵母の種類にもよりますが、一般的に15度~20度あたりで発酵は止まります。
そのため、それ以上のアルコール度数を得るためには蒸留(または酒精強化)をしなくてはなりません。

アルコール発酵に関係する人物

  • 化学式のゲイリュサック
  • 酵母の活動はパストゥール

アルコール発酵に関する人物として重要なゲイリュサックとパストゥールです。

この二人の人物がそれぞれ「何をしたのか」をしっかり区別しましょう。

人名 功績
Joseph Louis Gay-Lussac
ジョゼフルイゲイリュサック
糖をエチルアルコールと二酸化炭素に分解する化学式を提唱
Louis Pasteur
ルイパストゥール
アルコール発酵が酵母の活動によるものであることを解明

ワインの有機酸


ワインに含まれる酸が、ブドウ由来なのか発酵由来なのか貴腐ワインに関係するのかを確実に区別しましょう。

ブドウ由来の酸のなかで酒石酸が最も多いことも要チェックです。

ブドウ由来の酸

ブドウ由来の酸 含有量
酒石酸 1.5~5g/l
リンゴ酸 0~5g/l
クエン酸 0~0.5g/l

発酵によって生成する酸

発酵由来の酸 含有量
コハク酸 0.5~1.5g/l
乳酸 0.1~3g/l
酢酸 0.3~0.8g/l

貴腐ワインによって生成される酸

貴腐ワイン由来の酸 備考
グルコン酸 ブドウが貴腐化することで濃度があがる
ガラクチュロン酸 熟成中に粘液酸↓
カルシウム塩↓
粘液酸カルシウムへと変化↓
まれに析出
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ブドウ由来の香り成分

  • チオール化合物
  • テルペン類
  • フラネオール
  • ロタンドン
  • イソブチルメトキシピラジン

ブドウの香り成分は主に5つに分けられます。

ブドウ由来の香り成分 備考
チオール化合物
Thiol Compounds
ソーヴィニヨンブランの香り
主な種類:3MH・3MHA・4MMP
酸化に弱い
甲州にも含まれる(3MH)
テルペン類
Terpenes
主にリナロールとゲラニオールに分かれる
Linalool:マスカットやリースリング、コリアンダーシードに含まれる
Geraniol:ゲヴュルツトラミネールに含まれる
フラネオール
Furaneol
ヴィティス・ラブルスカ種に多く含まれる
イチゴの香り
マスカット・ベーリーAに多く含まれる
ロタンドン
Rotundone
シラー、グリューナーヴェルトリーナーなどに含まれる
胡椒の香り
冷涼な地域では濃度があがる
イソブチルメトキシピラジン
IBMP
正しくはIsobutyl-methoxypyrazine
ピーマンを連想させる青臭い香り
カベルネソーヴィニヨンなどのボルドー系品種に多く含まれる
ブドウが熟すと減っていく
テイスティングコメントで”ピラジン”と言ったらコレのこと

EUによるワインの規則

原産地呼称

A.O.P.のほうが厳格で上位のグレードになります。
A.O.P.とI.G.P.の違いは下記です。

  • Appellation d’Origine Protégéeの略
  • 指定地域内で栽培されたブドウのみを使用する
  • ヴィティスヴィニフェラ種のブドウのみ使用可
  • Indication Géographique Protégéeの略
  • 指定地域内で栽培されたブドウを85%以上使用する
  • ヴィティスヴィニフェラ種と他種の交雑品種も使用可

ラベル記載について

ラベル表記についてはどれが義務でどれが任意なのかを把握しましょう。

  • 製品カテゴリー(ワイン・V.D.L.等)
  • A.O.P.、I.G.P.などの表記と名称
  • アルコール度数
  • 原産国
  • 瓶詰業者名(スパークリングワインの場合は生産者と販売業者)
  • 残糖量(スパークリングワインのみ)
  • 収穫年(ヴィンテージ)
  • 原料のブドウ品種
  • A.O.P.、I.G.P.のEUシンボルマーク
  • 残糖量(スパークリングワイン以外)
  • 生産方法に関する記述(シュール・リー等)
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ワイン産地における主な4つの気候

  • 大陸性気候
  • 海洋性気候
  • 地中海性気候
  • 山地気候

ワイン産地の気候は主に4つに分けられます。

気候 備考
大陸性気候 昼と夜の日較差、夏と冬の気温の年較差が大きい
【例】ブルゴーニュ
海洋性気候 気温の日較差が少ない
降水量が多く湿気は高い
【例】ボルドー
地中海性気候 温暖で乾燥した気候
夏は日照に恵まれ、冬は穏やかで雨量が増える
【例】
南フランス
イタリア
山地気候 平地と比べて気温が低く天候の変化が激しい
一般的に風が強い
【例】
山梨
長野

ジュラ
サヴォワ

ブドウ品種

  • ヴィティス・ヴィニフェラ種
  • ヴィティス・ラブルスカ種

ここでいうブドウ品種とは、カベルネソーヴィニヨンやメルローのようなものではなく、もっと大枠のものです。

試験対策では2つの品種を押さえましょう。

「Vitis=ブドウ」という意味なので覚えておきましょう
ブドウ品種 備考
ヴィティス・ヴィニフェラ
Vitis vinifera
中近東原産
ワイン造りに最適でワイン用として広く栽培される
フィロキセラへの耐性が低い
1000種以上あると言われるが現在使用されるのは100種程度
【例】
カベルネ・ソーヴィニヨン
シャルドネ
ピノノワール
ヴィティス・ラブルスカ
Vitis labrusca
北米大陸原産
フィロキセラへの耐性が強い
フォクシーフレーバー(狐臭)という独特な香りがある
主に生食用だがワインに使われることもある
【例】
デラウェア
コンコード
ナイアガラ

交配と交雑の違い

ブドウとブドウを掛け合わせて新たな品種を生み出すことを「交配」や「交雑」と言います。

「交配」と「交雑」で何が違うのかも見ておきましょう。

用語 備考
交配 ヴィニフェラ×ヴィニフェラのように同じ種を掛け合わせた品種
交雑 ヴィニフェラ×ラブルスカのように違う種を掛け合わせた品種
例:日本の巨峰はヴィニフェラ×ラブルスカの交雑品種です

ブドウの酸と糖度

  • ブドウの果実のうち、最も酸が強いのは種子の間
  • ブドウの果実のうち、最も糖度が高いのは果皮の内側
「ブドウの果実で最も酸が強いのはどこですか?」という感じでよく出題されます。

ブドウ栽培に適した環境

  • 気温
  • 日照
  • 水分
  • 土壌

ワイン用ブドウを栽培するのに適した条件として4項目を見ていきましょう。

特に日照時間と降雨量は頻出です。

条件 備考
気候 年平均気温10~20℃(ワイン用ブドウは10~16℃)
夏と冬のような年間の気温差があり、成熟期には気温の日較差が大きいことが望ましい
日照 ブドウの生育期間に1000~1500時間の日照量
雨量 年間降雨量500~900mm
※夏~秋にかけては降水量が少ない方が望ましい
土壌 水はけがいい痩せた土壌

ブドウの主な4種の仕立て方

  • 垣根仕立て
  • 棒仕立て
  • 株仕立て
  • 棚仕立て

ブドウは主に4つの方法で仕立てられます。

株仕立てと棚仕立てについては英語とフランス語も教本に記載があるのでそれも覚えましょう。

垣根仕立て

  • 針金と柱を使って枝を地面と垂直方向に伸ばす仕立て法
  • 世界で広く実施される
【例】
ボルドー
ブルゴーニュ
イタリア
ドイツ

ボルドー、ブルゴーニュ、イタリアなど世界的に広く用いられているのがこの垣根仕立てです。

垣根仕立ては長梢剪定と短梢剪定に分けられ、長梢剪定はさらにGuyot DoubleギヨドゥブルGuyot Simpleギヨサンプルという二種類に区分されます。

Double=ダブルという意味
枝を左右両方に伸ばしていく方法
Simple=単純というような意味
枝を片側にだけ伸ばしていく方法

一方で短梢剪定は主にCordonRoyatコルドンロワイヤという方法が用いられます。

ポイントは「地面と垂直に伸ばす」「世界的に広く用いられる」の2点!

棒仕立て

  • 針金で垣根を張れない急斜面に用いられる
【例】
モーゼル
北部ローヌ

ドイツのモーゼルやローヌ北部など急斜面の地域で用いられるのが棒仕立てです。

左右から2本の長梢を取り、主幹に添えた棒を中心にハート形になるように仕上げます。

「急斜面」「ハート形」がポイントです。

株仕立て

  • 英:Head trainingヘッドトレーニング Bush trainingブッシュトレーニング
  • 仏:Gobeletゴブレ
  • 針金や柱などを使用せず、乾燥地で多く使われる
【例】
南フランス
スペイン
ポルトガル

スペインやポルトガルなど乾燥地で用いられるのが株仕立てです。

垣根仕立てや棒仕立てと違い、新梢を固定しないため枝は過剰な伸長をしません

英語表記が2種類あることにも注意が必要です。

棚仕立て

  • 英:Overhead vine trainingオーヴァーヘッドヴァイントレーニング
  • 仏:Pergolaペルゴラ
  • 棚を作ってブドウを天面に広げていく
  • 雨量が多かったり日差しが強い地域で使われる
【例】
日本
イタリア
ポルトガル(一部)
エジプト

日本でブドウ狩りをしたことがある人は、ブドウ栽培でイメージするのは棚仕立てになるでしょう。

棚を造りブドウを天面に広がるように育て、葉は地面に対して水平に広がっていきます

ブドウ果実が目の高さになるので手入れなどを細かく行うことが可能なのも利点です。

日本を代表する仕立て方のため、出題の可能性も高いです。

ブドウの病気

  • 病気の症状と対処法を覚える

ブドウの生理障害や病気について、病名と症状・対策を一覧化しました。
病名については各言語把握する必要がありますので注意してください。

生理障害

病気名 症状
花振るい
英:Coulureクルール/Shatterシャッター
仏:Coulureクリュール
小花の受粉量が少なく結果的に収穫量が減る現象
果実が肥大せず小粒のままになることもある=結実不良(Millerandageミルランダージュ

カビによるもの

病気名 症状・対策
ベト病
英:Downy milsewダウニー ミルデュー
仏:Milsiouミルデュ
果実に白いカビ状胞子が付着し落果する
対策:ボルドー液
灰色カビ病
英:Gray moldグレーモールド
仏:Pourriture griseプリチュールグリース
貴腐ワインの元にもなるボトリティス・シネレアというカビが付着し、赤ワインの着色不良を生じさせる。
対策:イプロジオン水和液
ウドンコ病
英:Powdery mildewパウダリーミルデュ
仏:Oidiumオイディウム
ブドウ果粒が白い粉状の胞子で覆われ腐敗の原因になる
対策:硫黄・ベンレート剤
晩腐病
英:Ripe rotライプロット
日本ではブドウ病害被害の中で最大。収穫期の果実を腐敗させる。
対策:ベンレート剤
エスカ
ESCA
最古のブドウの病気。白ブドウの葉は白く、黒ブドウの葉は赤くなり枯れて落葉する。
対策:確立されていない
エスコリオーズ
Excoriose
カビが付着し、枝がかさぶた状になる。剪定の際に感染した枝を残すと翌年も発症する。
対策:感染した枝を冬の間に燃やす
英:Bordeaux Mixture
仏:Bouillie Bordelaise

ベト病の対策に使われるボルドー液とは

硫酸銅+生石灰+水の混合溶液

のこと。

細菌によるもの

病気名 症状・対策
根頭癌種病
Crown gallクラウンゴール
土壌のバクテリアがブドウ組織に感染してこぶ状の塊を作る
ピアス病
Pierce’s Disease
シャープシューターというヨコバイの一種が樹液を吸う際にバクテリアを感染させる。
対策:殺虫剤を散布
フラヴサンスドレ
Flavescence doree
スカフォイデウスティタヌスというヨコバイの一種が樹液を吸う際にバクテリアを感染させる。
ブドウの房が充実せず、樹は数年で枯死する。
対策:殺虫剤を散布

その他病虫害

 

病気名 症状・対策
ウィルス病 糖度が上がらなくなる・葉が本来の機能を失うなど重大な被害
対策:茎の先端組織を切り取り、無菌状態で成長させて畑に移す
フィロキセラ
Phylloxera
ブドウ樹の根や葉に寄生し、樹液を吸って樹を枯死させる
対策:北米系種を台木とした接木苗

ワイン概論練習問題

テスト
本記事で解説したワイン概論について練習問題を作成しました。
非常に幅広いですが、何度も挑戦して脳に焼き付けてください。

最後に

ワイン概論はワインの学習の基礎で、ここの理解度が各地域の学習の理解度につながる部分も多いです。

ワインを実務で扱う際にも生産者さんとのやり取りなどで必要な知識になるので、練習問題を活用してしっかり覚えていきましょう。
ソムリエワインエキスパート試験の勉強法はこちら↓

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