- ワインと料理の組み合わせに明確な正解を作ることは難しい
- 一般的に合うとされるワインと料理の組み合わせを覚える
- 試験ではワインと料理の産地を紐づけることが多い
- 料理名に使われる単語の意味が分かると暗記が楽になる
ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。
今回は代表的な地方料理です。
ワインと合わせる食事の相性(マリアージュ)に関係する部分ですね。
マリアージュの基本として、「ワインと料理の産地を合わせる」というものがあります。
その料理がどの地方のものかを覚えて、ワインを選ぶ参考にしましょう。
試験でも、「このワインと同じ産地の料理を選べ」といった形式の出題が多いです。
本記事では「基本的なマリアージュの考え方」にくわえて、「フランスとイタリアの料理」「料理の特徴」を簡単にリスト化しました。
暗記に役立ちそうな単語の意味も記載しています。
Jambon Persilleを例にすると、
Jambon=ハム
Persille=パセリ
なので「ハムの香草入りゼリー寄せ」となります。
最後に練習問題も載せていますので是非挑戦してみてください。
料理と同じく、ワインとの相性で有名なチーズについても別記事で解説しています。
下記リンクからどうぞ。
・チーズの重要ポイント&練習問題へ
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ソムリエ・ワインエキスパート試験はワインの難関試験です。 勉強も大変そうだし、何から手をつけたらいいのかもわからないですよね。 筆者は年末頃から少しずつ勉強をスタートして、年明けからはオンラインスクールも利用しながら一発で合格す[…]
マリアージュのタイプ
- 生産地でのマッチング
- 味わいでのマッチング
- 価格でのマッチング
ワインと料理の相性を考えるときは、一般的に「生産地」「味わい」「価格」が参考にされます。
日々のワインライフでは、毎回ワインと料理の生産地を合わせることは難しいですね。
「味わい」や「価格」で組み合わせていくことが多いでしょう。
一方試験では、正解が明確な「生産地」で合わせる出題がメインになります。
味わいのマッチング
- 酸の強いワイン:前菜などの軽めの料理
- 渋みの強いワイン:食事後半の脂身の多いメインディッシュ
- 甘口ワイン:塩味の強いものやデザートなど
- 上級者向けだが香りを合わせる手法もある
コース料理で飲むワインを思い浮かべてください。
最初に白ワイン、そのあとに赤ワイン、最後に甘口ワインといった流れはなんとなくイメージでしょうか?
この順序には味わいで合わせるマリアージュの基本が詰まっています。
白ワインがの酸が食欲を誘う
辛口白ワインのキリっとした酸は唾液を引き出し、食欲をさそう効果があるとされます。
前半の料理はサラダのようなものであることが多く、それにレモン汁をかけるような感覚で酸の鋭いワインを合わせれば味わいもバッチリです。
渋みが肉の脂を和らげる
食事が進み、メインディッシュのステーキなどには渋みの強い赤ワインが選ばれます。
渋みは口に残る脂分をやわらげスッキリさせる効果があるので、重い脂で食事が止まるのを軽減してくれます。
最後は甘口ワインで
食事が終わり、デザートと一緒に甘口ワインが運ばれます。
甘口ワインはそのままデザートワインなんて呼ばれたりもしますね。
甘口ワインは、同じく甘いものや、逆に塩味の強いものと相性がいいとされます。
塩味の強いブルーチーズは甘口ワインとの相性がいいことで有名です。
このように「塩味の強いもの」は同じ産地のワインよりも甘口ワインが優先して考えましょう。
「生ハムメロン」
「ポテトチップスとコーラ」
このあたりを思い出すと甘味と塩味の相性についてはイメージできるでしょうか。
上級者は香りも参考にする
少し上級者向けですが、香りとのマッチングを考えることもできます。
ワインの中には特徴的な香りを持つものがあり、それを料理の香りを合わせようということですね。
ワインと料理の香りを両方知る必要があるため上級者向けですが、「もしかしてこの香りはこのワインが合うんじゃ?」のような気付きが合った場合には是非試してみてください。
価格(料理の格)のマッチング
- 料理とワインの価格帯を合わせる
- 加工食品には手ごろなワインが合うことが多い
超高級ワインである「ロマネコンティ」に「コンビニのカルパス」を合わせるとなったらどうでしょうか?
「カルパスはさすがにちょっと…」
と言いたくなりますよね。
できれば高級レストランの料理を合わせたい人も多いと思います。
逆に何万円もする高級肉に、お店のワゴンで投げ売りされていたワインを合わせるというとどうでしょう?
「せっかくだからバローロでも飲みたいな」
なんて気持ちになりませんか?
これが価格でのマッチングです。
高級料理は食材自体が高級であることが多く、食材そのままの味わいを生かした料理になることが多いです。
素材の味を生かした料理には、繊細な味わいを持つ高級ワインを合わせるということですね。
手ごろな料理では食材も手ごろであり、調味料を使って味わいを整えたものが多くなります。
その場合は同じく手ごろでわかりやすい味わいのワインが合う、となります。
代表的な地方料理
- 地方料理であって必ずしも「高級料理」ではない
- どの料理がどの産地なのかを紐づける
- 塩味の強い料理は甘口ワインも考える
- 料理名に使われる単語の意味が分かると暗記が楽になる
試験対策はここからが本番。
料理からの出題は、
「〇〇と同じ産地のワインを選べ」
「牛肉をワインで煮込んだ料理を選べ」
のような形式がほとんどです。
そのためここでは産地・料理名・料理の説明文を覚えるようにしましょう。
本記事では重要度が高いフランスとイタリアに絞っています。
余裕のある人は他の地域も確認しておくと安心ですね。
自宅で造れるものも多いので、興味がある方は試してみてくださいね。
フランス
ブルゴーニュ地方
ブルゴーニュ地方 | 備考 |
Boeuf Bourguignon ブッフブルギニョン |
牛肉の赤ワイン煮込み 特に赤ワインと相性がいい Boeuf=ビーフ(牛) |
Coq au Vin コッコヴァン |
鶏肉の赤ワイン煮込み 特に赤ワインと相性がいい Coq=鳥 Vin=ワイン |
Jambon Persille ジャンボンペルシエ |
ハムの香草入りゼリー寄せ 特に白ワインと相性がいい Jambon=ハム Persille=パセリ |
Oeuf en Meurette ウフアンムーレット |
ポーチドエッグの赤ワインソース仕立て Oeuf=卵 |
ボルドー地方
- 基本的にボルドーの赤が相性がいい
- 高級食材が多い地域
ボルドー地方 | 備考 |
Entrecote a la Bordelaise アントレコートボルドレーズ |
牛リブロース肉の炭火焼 Entrecote=最高級のステーキ用リブロース肉 |
Lamproie a la Bordelaise ランプロワアラボルドレーズ |
ヤツメウナギの赤ワイン煮 Lamproie=ヤツメウナギ |
Agneu de Pauillac アニョードポイヤック |
ポイヤック産仔羊 Agneu=仔羊 |
アルザス地方
アルザス地方 | 備考 |
Choucroute シュークルート |
塩漬けキャベツ |
Foie Gras d’Oie フォアグラドワ |
ガチョウのフォワグラ d’Oie=ガチョウ 甘口ワインが特に合う |
Baeckeoffe ベッケオフ |
肉と野菜の白ワイン蒸し煮 |
プロヴァンス地方
- 食文化が栄える地域
プロヴァンス地方 | 備考 |
Salade Nicoise サラドニーソワーズ |
ニース風サラダ |
Bouillabaisse ブイヤベース |
魚介類の寄せ鍋 ロゼや白がよく合う |
Ratatouille ラタトゥイユ |
夏野菜のトマト煮込み |
Gigot d’Agneau en Croute ジゴダニョーアンクルット |
仔羊のもも肉のパイ包み プロヴァンスの赤が合う Gigot=足 Agneau=仔羊 |
ラングドック地方
ラングドック地方 | 備考 |
Cassoulet カスーレ |
白インゲン豆の煮込み |
Brandade de Morue ブランダードドモリュ |
タラとジャガイモのピュレ Morue=タラ |
南西地方
- 高級食材の宝庫
- フォアグラやトリュフなど鴨が名産
南西地方 | 備考 |
Confit de Canard コンフィドカナール |
鴨のコンフィ
Canard=鴨 |
Magret de Canard マグレドカナール |
フォアグラを採取するために肥育した鴨 Canard=鴨 Magret=鴨の胸肉 |
Foie Gras フォアグラ |
フォアグラ |
Truffe トリュフ |
トリュフ |
Garbure ガルビュール |
細かく刻んだ野菜の入ったスープ |
Jambon de Bayonne ジャンボンドバイヨンヌ |
アドゥール盆地産生ハム Jambon=ハム |
イタリア
ピエモンテ州
ピエモンテ州 | 備考 |
Bagna Cauda バーニャカウダ |
オリーブオイルにアンチョビ・ニンニクを入れたソースを野菜につけて食べる |
Tajarin タイアリン |
卵入り手打ち細麺 |
Brasato ブラサート |
牛肉のマリネをワインで煮込んだもの |
Tartufo Bianco d’Alba タルトゥーフォビアンコダルバ |
白トリュフ Tartufo=トリュフ |
ロンバルディア州
ロンバルディア州 | 備考 |
Bresaola ブレザオラ |
ヴァルテッリーナ産牛肉生ハム |
Risotto alla Milanese リゾットアラミラネーゼ |
サフラン風味のリゾット |
Minestrone ミネストローネ |
野菜のスープ |
Costoletta alla Milanese コストレッタアッラミラネーゼ |
ミラノ風カツレツ Costoletta=カツレツ |
Ossobuco オーソブッコ |
仔牛すね肉の輪切りの煮込み |
エミリアロマーニャ州
- 食文化が栄える地域
エミリアロマーニャ州 | 備考 |
Aceto Balsamico Tradizionale di Modena アチェートバルサミコトラディツィオナーレディモデナ |
伝統的バルサミコ酢 |
Prosciutto e Melone プロシュートエメローネ |
パルマ産生ハムのメロン添え Melone=メロン |
Cotoletta alla Bolognese コトレッタアッラボロニェーゼ |
生ハムとチーズをのせてオーブンで焼いた仔牛のカツレツ Costoletta=カツレツ |
トスカーナ州
トスカーナ州 | 備考 |
Crostini クロスティーニ |
鳥のレバーなどで造ったパテを載せたパン |
Panzanella パンツァネッラ |
パン・トマト・玉ねぎ・バジリコを入れたサラダ |
Ribollita リボッリータ |
野菜のスープ |
Bistecca alla Fiorentina ビステッカアッラフィオレンティーナ |
厚切りのTボーンステーキ Bistecca=ステーキ |
ラツィオ州
ラツィオ州 | 備考 |
Spaghetti alla Carbonara スパゲッティアッラカルボナーラ |
パンチェッタ・卵・ペコリーノ・胡椒のソースのスパゲッティ |
Bucatini all’Amatriciana ブカティーニアッラマトリチャーナ |
乾燥させた豚のほほ肉・トマト・唐辛子・ペコリーノのソースで和えたパスタ料理 Amatriciana=トマトとベーコン |
カンパーニャ州
- マルゲリータやペペロンチーノなど日本でも馴染みあるものが多い
カンパーニア州 | 備考 |
Pizza Margherita ピッツァマルゲリータ |
トマト・モッツァレラ・トマトソース・バジリコのピッツァ |
Spaghetti Aglio,Oilo e Peperoncino スパゲッティアリオオリオエペペロンチーノ |
ニンニク・オリーブオイル・唐辛子のスパゲッティ |
Spaghetti alle Vongole スパゲッティアッレヴォンゴレ |
アサリのスパゲッティ |
Spaghetti alla Puttanesca スパゲッティアッラプッタネスカ |
アンチョビ・ケッパー・オリーブをトマトソースで和えたスパゲッティ |
Bistecca alla Pizzaiola ビステッカアッラピッツァイオーラ |
仔牛のステーキ Bistecca=ステーキ |
シチリア州
- クスクスはデュラム小麦粉を原料とした粉末状のショートパスタのこと
シチリア州 | 備考 |
Arancino di Riso アランチーノディリーゾ |
大きなお米のコロッケ Riso=米 |
Caponata カポナータ |
野菜の煮込み料理 |
Cous Cous di Pesce クスクスディペッシェ |
魚介のソースをかけたクスクス |
サルデーニャ州
サルディーニャ州 | 備考 |
Aragosta Arrosta アラゴスタアッロスタ |
伊勢海老のロースト
Aragosta=伊勢海老 Arrosta=ロースト |
Bottarga ボッタルガ |
カラスミ |
代表的な地方料理練習問題
本記事で解説したマリアージュや地方料理について、ランダムで出題される練習問題を作成しました。
スキマ時間などに是非挑戦してみてください。
最後に
- マリアージュの基本を把握する
- 試験では基本的にワインと料理の産地を合わせることになる
- 各料理の産地や簡単な特徴を紐づける
ワインと食事は切っても切れない関係で、相性がいいとされる組み合わせを知ることは実用性も高いです。
試験勉強のためだけでなく、日ごろワインを飲む際にも少し意識してみるとワインが一層美味しくなりますよ!
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