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チリ/ソムリエワインエキスパート試験対策&練習問題

  • 産地・品種にくわえて総論や歴史もチェック
  • 2種類の産地呼称がある
  • 水が貴重で、伝統的な灌漑方法がある
  • アコンカグアとセントラルヴァレーが二大産地

ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズ。

今回はチリです。

縦長の国チリは、日本が輸入するワインの輸入量で第1位
スーパーやコンビニなどでも「モンテスアルファ」「カッシェロ・デル・ディアブロ」など、手頃でおいしいワインがたくさん売られていますね。

この背景には、チリと日本の間で関税が撤廃されたことがあります。
低価格・高品質・単一品種で造ったチリワインは初心者にもオススメですね。

このように日本では特に存在感の強いチリワインですが、試験勉強では意外にも学習量は少な目。
総論・歴史・ワイン法・産地などを広く覚えていく必要はありますが、一つ一つのポイントは限られています。

今回はチリの学習のポイントをまとめて、最後に練習問題も載せてあります。
日々のワインライフにも生かしやすいので、是非マスターしましょう。

ソムリエ&ワインエキスパート一次試験対策シリーズは、筆者が一次試験合格までに学習した内容を項目別にまとめたものです。
全ての記事にランダムで出題される練習問題がついているので試験学習にうってつけ。
独学・スクール通学を問わず、ソムリエ&ワインエキスパート試験合格を目指す人全員に役立てるようになっています
詳しくは下記リンクの記事をチェックしてくださいね。
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総論のポイント

テキスト

  • 日本が輸入するワインの輸入量第一位
  • ブドウ栽培に適した環境を持つ

日本が輸入するワインの輸入量第一位

2007年からチリと日本の間で関税が下がっていき、2019年4月には完全に撤廃されました。

これによって品質のわりに低価格なチリワインが手に入りやすくなり、日本国内でチリワインが多く流通するようになります。

しかし2019年の2月に日本・EU間の関税も撤廃に。
近年はEUワインの輸入量が増えてきたことで、相対的にチリワインの輸入量は減少しています。

このように以前ほどの存在感はなくなりつつあるチリワイン。
しかしEU以外の諸国と比べると、今も価格面で大きく有利であり、未だ日本での地位は確立されています。

ブドウ栽培に適した環境を持つ

チリは北に「アタカマ砂漠」、西に「太平洋」、東に「アンデス山脈」、南に「南極」が位置し、「フンボルト海流」という寒流が流れます。

基本的な生産地域は温暖な地中海性気候
しかしフンボルト海流とアンデス山脈からの冷たい風が昼夜の寒暖差を生み、ブドウにいい刺激を与えることが出来ます

これらの立地条件もあって、チリではフィロキセラの被害がありません
そのため未だに自根でのブドウ栽培を行っています。

しかし以前から水が貴重で、農業には灌漑が必須
近年は温暖化の影響で水不足はさらに深刻な問題となっています。

チリでフィロキセラの被害がない理由は諸説あり、明確に解明されていません。
いずれにしても、フィロキセラが生息できない恵まれた土地なのは間違いないですね。

チリの伝統的な灌漑方法

  • 3種類の灌漑方法の名前と内容を紐づける

チリでは水不足が深刻で、伝統的に灌漑が行われます。

灌漑方法 備考
ナチュラル・イリゲーション アンデスの雪解け水を溜めて用水路へ流す方法
水路が設置可能な平野部に用いられる
ドリップ・イリゲーション 点滴灌漑ともいう
井戸を掘って水を確保する
斜面部で用いられる
ドライ・ファーミング 灌漑をせず自然に任せる
近年この方式も増えている

歴史のポイント

  • 16世紀半ばFrancisco de Aguirreフランシスコデアギーレのブドウ畑がチリ最初のもの
  • 1851年Silvestre Ochagaviaシルベストレオチャガビアが渡欧してフランスからブドウを輸入

チリのブドウ栽培は、16世紀半ばにスペインのカトリック伝道者がパイス種を植えたことから始まります。

その際、最初のブドウ畑となったのがFrancisco de Aguirreフランシスコデアギーレの畑でした。

その後Silvestre Ochagaviaシルベストレオチャガビアがフランスから大量のブドウ苗木を輸入。
マイポヴァレーのタラガンテに植え付けたことで、チリにヴィティスヴィニフェラ種がもたらされることになります。

「誰が・何をしたか」をしっかり覚えましょう。

主要ブドウ品種

  • 赤ワイン用ブドウが全体の7割を占める
  • 白ブドウはシャルドネよりソーヴィニヨンブランのほうが多い
  • 固有品種のパイスと代表品種カルメネールにも注意

チリで生産されるワインの7割が赤ワインです。
特にカベルネソーヴィニヨンは「チリカベ」とも呼ばれる代表品種。
白品種はソーヴィニヨンブランが最大である点も注目です。

主要ブドウ品種 備考
Sauvignon Blanc
ソーヴィニヨンブラン
チリの白ブドウ栽培面積第1位
白・黒総合第2位
Chardonnay
シャルドネ
チリの白ブドウ栽培面積第2位
Pais
パイス
チリの白ブドウ栽培面積第3位
チリに初めて植えられたブドウ
Cabernet Sauvignon
カベルネソーヴィニヨン
チリの生産量の30%を占める
チリを代表する品種
栽培面積白・黒総合1位
Merlot
メルロー
チリの黒ブドウ栽培面積第2位
白・黒総合第3位
Carmenere
カルメネール
長年メルローだと思われて育てられていた
世界のカルメネールは大半がチリで栽培されている

ワイン法

法律18455号とそれに沿った農業省令No.78

  • ヴィティスヴィニフェラ種のみ使用可
  • 補糖は禁止
  • アルコール度数11.5%以上

チリのワイン製造については法律18455号とそれに沿った農業省令No.78が制定されています。

ヴィティスヴィニフェラ種のみの使用が認められており、補糖は禁止。

最低アルコール度数11.5%以上という条件も、気象条件の良さからくるものでしょう。

法律〇〇番、という部分も出題しやすい部分です。
数字の羅列を頭に印象付けてください。

原産地呼称Denominacion de Origenデノミナシオンデオリヘン(D.O.)

  • 栽培区域のみを制定し品種や栽培方法までは特定されない地理的名称
  • アメリカのA.V.A.と同じ
  • 広い包括的なD.O.と小規模な個別D.O.がある

ラベル表記

  • 国内向けワインは一律75%、輸出向けは一律85%ルール
  • 義務記載と任意記載をしっかり区別する

チリのワイン法では、「輸出向け」か「国内消費向け」かでラベル記載のルールが異なります。

基本的には85%ルールで覚えておいて、「国内向けは規制が緩い」という覚え方がオススメです。

義務的記載事項

義務的記載事項 備考
ワインの種類 赤ワインや白ワインなど
製造者(瓶詰者)名と所在地
ワインの容量
アルコール度数
チリが原産地であることの記載 Produce of Chileなど

任意的記載事項

任意的記載事項 備考
原産地呼称D.O. 当該D.O.のブドウを75%以上使用した場合
※但し輸出向けワインは85%以上
D.O.ワインは条件を満たすとReservaレゼルバなどの品質表示も加えることができる
ブドウ品種 当該ブドウを75%以上使用した場合
※但し輸出向けワインは85%以上
収穫年 当該収穫年のブドウを75%以上使用した場合
※但し輸出向けワインは85%以上
生産者元詰めの表示 EstateBottledまたはEmbotellado en Origen
生産者が栽培から瓶詰まで一貫して行った場合
残糖量表示 SecoやDulceなどの甘辛表示

主要産地

  • 縦長の国土のためワイン生産地も縦並びになっている
  • 大きく6つに区切られ、それぞれにサブリージョンがある
  • アコンカグアとセントラルヴァレーが二大産地

チリのワイン産地は北から

アタカマ
コキンボ
アコンカグア
セントラルヴァレー
サウス
アウストラル

の6つに分けられます。

中でも「アコンカグア」と「セントラルヴァレー」は評価が高いので、主要なサブリージョンも覚えておきたいです。

主要D.O. 備考
Atacamaアタカマ 蒸留酒ピスコの産地
Coquimboコキンボ 3つのサブリージョンを持つ
ElquiValleyエルキヴァレー コキンボのサブリージョン
チリで最も標高が高い産地
Aconcaquaアコンカグア 4つのサブリージョンを持つ
Casablanca Valleyカサブランカヴァレー アコンカグアのサブリージョン
冷涼な海風が吹きピノノワールなど寒いエリアのブドウが栽培される
San Antonio Valleyサンアントニオヴァレー アコンカグアのサブリージョン
さらにLeyda Valleyレイダヴァレーというサブリージョンを持つ
Central Valleyセントラルヴァレー チリのブドウ栽培が最初に始まった場所
Maipo Valleyマイポヴァレー セントラルヴァレーのサブリージョン
首都州にある
栽培面積の50%以上がカベルネソーヴィニヨン
Rapel Valleyラペルヴァレー セントラルヴァレーのサブリージョン
Curico Valleyクリコヴァレー セントラルヴァレーのサブリージョン
Maule Valleyマウレヴァレー セントラルヴァレーのサブリージョン
チリ最大のブドウ産地
Southサウス
Australアウストラル 2011年に新設
アウストラル=南極を意味する
チリ最南端のブドウ畑がある

Piscoピスコ

  • D.O.アタカマで造られる蒸留酒
  • マスカット種を使う
  • ソーダ水、レモンと割ってピスコサワーとして飲まれる

チリではあまりスパークリングワインを飲まず、食前酒にはピスコを割ったピスコサワーが選ばれます。

日本の焼酎レモンサワーのようなイメージが近いですね。

新しい原産地呼称

  • 国土を縦長に分けた産地呼称
  • 気候の違いに沿っている

前項で解説した横に6分割した呼称とは別に、縦長に3分割した呼称が作られました。

海沿い・中央部・アンデス山脈斜面に分けることで、より気候に合わせた産地呼称となり、テロワールの概念を意識することが目的になっています。

新しい原産地呼称 備考
Costaコスタ 海沿いのエリア
フンボルト海流の影響を受けて冷涼
ピノノワールやシャルドネなどが主体
Entre Cordillerasエントレコルディリェラス 中央部のエリア
チリの農業はエントレコルディリェラスから始まった
Andesアンデス アンデス山脈斜面のエリア
El Lacoエルラコという風が毎朝山から吹き下ろす

チリ練習問題

テスト
本記事で解説したチリのポイントについて、ランダムで出題される練習問題を作成しました。
スキマ時間などに是非挑戦してみてください。

最後に

  • 総論・歴史的背景・地形配置などもポイントで把握する
  • 代表品種は「チリカベ」
  • アコンカグアとセントラルヴァレーが二大産地だが、テロワールに合わせた新しい産地呼称もある

身近な印象のチリワインですが、覚えるべきポイントは多くありません。

日常のワインライフでも生かしやすいので、しっかり勉強しておきましょう。



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